ショートショート「ツチノコ」
僕の名前はマコト。今日はジョージさんと一緒にツチノコ探しに来ている。なんか賞金がかけられてるらしいというだけで来たんだけど大丈夫かな?
山の中を散々探し回ってから不意にジョージさんが言い出したんだ。
「おいマコト。ところでツチノコってどんな生き物なんだ?」
「え?ジョージさんが知っているものとばかり・・・僕も知りませんよ。」
「まあ、蛇なんだろヘビ。変わったヘビを捕まえていけばいいだろ。」
そんなんで賞金貰えるのかな?なんか心配になってきたよ。調べてみようかとスマホを取り出したけど既に圏外だった。あらあ。
そして僕たちはそれ以上に問題を抱えていた。
「ところでマコト。俺たちはどこにいるんだ?」
「え?ジョージさんが知っているものとばかり・・・。」
そう、すっかり道に迷ってしまったのだ。まあね、大した準備もせずに適当に登ってきたからね、仕方ない仕方ない。まあ大きな山じゃないし明日になればなんとかなりますよ、と、僕たちはとりあえず一晩野宿をすることにしたんだ。
天気が良くて本当に良かった。
火を起こして焚き火を作ると次は食料の調達だ。僕はさっき川に仕掛けた罠に魚がかかっていましたけど・・・ジョージさん?何捕まえてきたんですか?
「なんか丸々太った足のないトカゲが居たんだが・・・これ丸焼きにしたら食えるかな?」
なんだかなあ、まるでビール瓶みたいなトカゲですね。って、僕は食べませんよ。魚を焼きますから。「バカ、トカゲだって美味いんだぞ」ってなんで普段あまり食べ物に興味ないくせにサバイバル能力あるんですか。
変なとこ逞しいんだよなぁ。
そしてジョージさんはその大型の足のないトカゲをすっかり平らげてしまった。本人曰く、鶏肉のようで美味かった、ですって。
そして翌日、僕たちは無事に救助された。残念ながらツチノコは見つからなかったけど、まぁ無事に帰れたから良しとしますか。
で、ジョージさん!次の賞金狙ってないで仕事しましょうよ!




