表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心霊探偵ジョージ   作者: pDOG
60/94

ショートショート 「くねくね」

「くねくね?


ああ、そういう生き物なら俺も見た事があるぜ


なんだよ?俺が認めるのが珍しい?そんな事はない。見たものは見た、そう言ってるだけだぜ。


あれは俺がまだ落ち着き先も決まらず、ふらふらと世界中を旅していた時の話だ。


ある時俺は山で道に迷い、人気の無い小道に迷い込んだ。そこを抜けると少し開けた谷に行き着いたんだ。


綺麗な小川が流れていた。歩き疲れて喉がカラカラだった俺は飛びついて川の水を掬って飲んだ。


その時にそいつらは現れたんだ。


岩陰から一体、二体、ウジャウジャいる!


ゾロゾロと真っ白い、まるで大きなイソギンチャクのようなくねくねした生き物が現れた。そしてじわじわと輪を狭めて俺を取り囲んでくる。


奴らの無機質な目が、俺を獲物だと語っていた。


俺は身の危険を感じてその谷から逃げ出した。


小道に戻ると男が一人、岩に腰掛けながらこちらを見ていた。


ジプシーのような格好をした不思議な男だった。ギターを背負い、細いパイプを咥えていた。


俺がその男の横をすり抜けようとすると男はすれ違いざまに


『ココニハ近ヅカナイホウガイイ。」


と言った。



俺は這々の体でその谷から逃げ出したが、あんなに肝が冷えた事は無かったぜ。


世の中にはまだまだ俺の知らない危険な場所や危険な生き物がいるって事だな・・・



ん?場所?


どこだったかな・・・?


確かフィンランドの国境は越えたと思うが。」




「ジョージ、それ、くねくねじゃ無いわ。それにその谷は絶対安全だから。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ