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ショートショート「恐怖のナポリタン」
俺の名前はジョージ、しがない探偵なんて稼業をしている。
ある日、俺は森に迷ってしまった。
夜になり腹も減ってきた。
そんな中、一軒のお店を見つけた。 怪しげな店だったが、よく見ると看板の横に殴り書きがしてある。
「ここはとあるレストラン、ナポリタンが人気です。」
変な名前の店だ。 だがこんな辺鄙な所にある割には有名なメニューがあるくらいには繁盛して居るらしい。
俺は人気メニューの「ナポリタン」を注文する。
数分後、ナポリタンがくる。俺は食べる。
・・・なんか変だ。しょっぱい。変にしょっぱい。頭が痛い。
しばらくして、俺は気づいてしまった・・・
この味・・・このしょっぱさはまるで、そう、涙の味だ。
俺の脳裏に、あいつの横顔が浮かんで消えた
あいつは寂しそうに笑っていた
俺はナポリタンを完食すると店長に「美味かったぜ。」と礼を言い店を出た。
タバコに着いた火が見上げた星空の中で赤く光っていた。
ちくしょう、やけに煙が目にしみるぜ・・・




