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ショートショート「チュパカプラ」
俺の名前はジョージ。起きた時にはもう昼を過ぎて居たが、なんだか外がうるさい。
よくはわからないが新聞社やテレビ局のスタッフが押しかけて来ているらしい。
ダニーとエイミーが対応しているようだが・・・
痛え・・・二日酔いで頭が回らねえ。
こんなに煩いんじゃ寝てられねえな。見つかる前に裏口から逃げるとするか。
と、あまり聞く気が無かった俺の耳に、微かに「チュパカプラ」という言葉が聞こえて来た。
ああ、その名前は覚えている。昨日エイミーが持って来た猫探しの依頼だったか。
まあ。俺の手から逃れられる猫は居ない。
捕まえてみれば随分とでかい猫だったが・・・あの猫そんなに有名なのか?確かに前金もとんでもない額だった。そのおかげがこの二日酔いだ。
ああ、煩い煩い。
頭に響く。
俺は退散するぜ。あとは任せたぜ、お二人さん。
ん?猫。お前も一緒に逃げるか?
そうだよな、あんな煩い連中に構ってられないよな。




