ショートショート「オーメン」
俺の名前はジョージ、売れない探偵だ。
俺が暇なことを皆知っている。忌々しいことに近所のガキどもも、だ。
そんなガキどもの一人が今日は遊びに来ていた。
ことあるごとに俺に悪戯を仕掛けてくる小生意気な外国人のガキだ。
だがつい苦笑してしまう。たまに見せる寝顔はまるで天使のようなんだぜ。
普段は無愛想なガキなのだが、それも仕方ないことだろう。
聞いた話では小さな頃に乳母の自殺を目撃してしまったらしい。
こんな小さな目で・・・こんな小さな手で・・・すべて抱えているのだから・・・
だから今日は、子守の探偵だ。
今日は神父さんごっこをしようと言い出した。
何のことだかよくわからないが、外に出ると急に避雷針が落ちてきた。
危なかった。俺じゃなかったら串刺しにされていたところだ。
しっかり取り付けろと文句を言いに行こうとしたがやめた。子供の前だ。
怖くなかったか?と聞くと小さく頷いた。
だが急に今度はカメラマンごっこにしようと言い出した。
まったく気まぐれなガキだ。
俺は苦笑しながらガキの髪の毛をくしゃくしゃにしてやった。
本人は知っているのか知らないのか、髪の毛を掻き分けると刺青が見える。 666と書かれている。
親にでもやられたのだろうか、酷いもんだ。
俺はカメラを構えるポーズを取りながら勤めて明るく振舞うように気をつけた。
トラックが近づいているぞ。飛び出すなよ、気をつけろよ。




