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星に願いを  作者: 星空テツ
第一章
14/14

012 ドーガという男






「ウラアァァッ!」


 ドーガの大剣が岩竜に振り下ろされる。

 大剣で岩竜のわずかな岩の隙間を斬る技術は、さすが熟練の技といったところか。


 が、岩竜はそんな攻撃は構いはしない。

 ダメージは入っているものの、追撃はないと分かっているためだ。


 ドーガは素早く距離をとり、岩竜の攻撃をいなしながら時間を稼ぐ。


(…30分、いや、一時間は必要か。)


 そう考えながらドーガは戦った。












(…一時間くらいたったか?クソったれ、そろそろ限界だ。)


 ドーガはもう満身創痍であった。

 対する岩竜は、いくつかの傷は見られるものの、特に疲弊している様子は見うけられない。

 それどころか、中々ドーガを仕留めきれないことにイライラしているようで、動きはより活発になっている。


「…そう急くなよ、もとより生きて帰れるなんて思っちゃいねえさ。」


 そうつぶやき、ドーガは魔力を集めた。

 ドーガの大剣が磁力を帯びる。

 雷属性の特徴は、圧倒的な貫通力。


 その技はあたりを巻き添えにするため、討伐隊がいる時には使えなかった技だ。



「落雷。」


 ドーガの呟きと同時に、大剣に雷が落ちた。

 ドーガの宿命星は、アダーラ。二等星だ。


「雷轟剣ッ!!」


 星纏ほどではないにしろ、それはドーガのもつ最強の技。

 40年の中で編み出された、百戦錬磨の男の集大成。


「受けてみろやっ!!」


 大剣の袈裟斬り。

 ただ、それだけ。それこそがシンプルにして、最高威力。






―――ドーガはここで唯一のして最大のミスを犯した





 ドーガ自信、それを直感した。

足りない(・・・・)、体力が、腕力が、足りない。


 かつて、ここまで疲弊した状態で雷轟剣を用いたことはなかったのだ。

 膝が崩れ、一気に体勢が傾く。

 このままでは、振り抜けない!

 防御している岩竜を斬れるか?

 だが、やるしかない!



「ハアァァァ!!」





ギュウウウウゥゥンッ!!



 ドーガは膝をついた。


(…どうだ?)


 岩竜の方に目を見やった。


 岩竜の左肩からは血が流れ出ている。

 が、それだけ。


 大剣は肩を浅くえぐったところで止まっていた。

 心臓にさえ届いていない。


 しかし、痛みを与えるには充分すぎるダメージだ。

 さらに激怒した岩竜が、ドーガを弾き飛ばした。






―――ああ、また及ばなかったな。


 若い頃から、そうだった。

 新進気鋭の若手冒険者として名を馳せた40年前、突如襲われたBランク魔物に為すすべもなく敗れた。

 そのことから奮起し、冒険者になって15年でAランクに昇格した。31歳、もう一段階()はまだまだ目指せる。そう思っていた。

 が、そこで再び敗れた。一等星をもたない者は、Sランクの壁を超えることは叶わない。

 Sランク。それは人智をこえた人間。Sランク魔物を一人で倒す化け物中の化け物にのみ与えられるランクだ。

 どれだけ努力しようと、()を渇望しようと、超えられなかった。何度もSランク魔物に敗れ、Sランク冒険者に敗れた。

 25年もAランク冒険者をやってて百戦錬磨などと言われていても、圧倒的な力の前ではキャリアなど意味をなさない。


―――さて、ここまでか。




 ドーガの目の前には、ロックブレスの構えを取る岩竜。

 ドーガはさきほどの攻撃でアバラ、腕をやられており、まともに動くことすら叶わない。


 ドーガが静かに目をつむる。

 岩竜がゆっくりと口をあけ…







バゴゥンッ!!



 岩竜の口でブレスは爆発した。

 顎を閉じられた事で、エネルギーが暴発したのだ。


 口の内部からの痛みに、さすがの岩竜ももだえる。


「…やっぱ、お前か。」


 そこには、ソラがたっていた。

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