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星に願いを  作者: 星空テツ
第一章
11/14

009 討伐隊vs




時は少し遡る。




先遣隊の五人は討伐隊の隊長の元に偵察の結果を報告していた 。


「ふうむ。巣に少し気になることがあったと?」


そう尋ねたのは討伐隊リーダー。

質実剛健、歴戦の戦士、隻眼の山賊―――そんな言葉が良く似合う老将―――ドーガだ。

40年に及ぶ冒険者としてのキャリアを持ち、レグノイド王国第二の冒険者であり、Sランクの壁の前に敗れ去ったAランク冒険者だ。

そんな人物に対してルートが告げる。


「ええ、どうにも気がたっているようでした。群れの多くが巣の外に出てきていましたし、雌まで巣から遠く離れた隣の山にいました。もしかして、さらに()の存在と戦っていたのかもしれません。」


「ふうむ。別の高ランク魔物との抗争の可能性か。そもそも今は偽岩竜の時期ではない。それを考えれば有りえん話ではないな。」


「…どうしますか?もう一度偵察に行くか、それとももう攻めますか?」


ルートの言葉にドーガは黙り込む。

いや、何やらブツブツ言っているようで、どうするべきか考えているようだ。


「行きましょうよ。」


ナルがそう言った。


「ほう、なぜだ?」


ドーガが尋ねる。


「確かに未知の魔物と戦うかもしれない可能性はありますが、そもそもただの種族内の争いかもしれません。それに、こっちには、仮に他のAランク魔物がいようと、充分に対応できる戦力がある。とりあえず行ってみなきゃ始まらんでしょう。」


確かにナルの言うことにも一理ある。






Aランク冒険者:ドーガ

《青い太陽》

《四獣》

《喰らふ者》


Bランク冒険者: アミスタ×

他、5パーティ+3人


Cランク冒険者:2パーティ


Dランク冒険者:ソラ





これが今回の討伐隊の戦力だ。

これを思い出しながら、ドーガは言った。


「確かに、それに偽岩竜は単体の力はBランク上位程度に過ぎん。それを考えれば、…よし、明朝、奇襲をかけるぞ。パーティごとで各個撃破しながら、外に出ている敵を減らす。そして、ある程度相手の数が減ったら、俺が指示を出す。そうしたら、一斉にすである洞窟になだれこむぞ。」


この作戦が全員に伝えられ、いよいよ、作戦決行となった。












―――レグノイド山脈―――




「あと、一時間ほどで巣に着く。各自で武器の最終確認をしてくれ。」


先頭を歩いていたナルが足を止め、討伐隊の面々に告げた。


「いや、そんな時間はないみたいだぜ。」


ドーガがそうつぶやき、同時にソラは剣を抜いた。



ギャオオオオオオオォォォォッ!!


今まで討伐隊が登ってきた坂道の横の崖の上に、五体の偽岩竜がいた。


「くるぞ、散れ!」


ドーガの号令とともに、戦いの火蓋は切って落とされた。

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