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プロローグ0
古来より人は、星を見てきた
星を見て吉凶を占った。
星は今も空に輝き、望遠鏡を通して見られている。
これは、地球ではないどこか。
剣と魔法と、そして星。
星が人を左右する、科学で進歩を遂げたこの世界とはまた違った異世界の噺。
人々は何かを願うとき、魔法を唱えるとき、そして、死ぬとき、
口々にこう言う。
「星に願いを。」
【異世界アルカディア】
この世界では、人が生まれるときに、星が宿る。
限りなく小さな星から一等星と呼ばれる巨大な星、何が宿るか分からない。
同じ星を宿すものはいない。
通常、人が死んだ時、宿っていた星は、新たに誕生した赤ん坊に宿る。
宿す星が何であるか、宿す人は知っている。
空のどこに浮かんでいるかも本能的に理解する。
大きな星を宿す者は強大な力を持つ。
星は一人につき1つだ。
普通は、ね。