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世界の崩壊・始まりの世界  作者: 火憐ちゃん
100年後の世界編
6/20

秋野の退屈と彗の溜息


日常編です

新キャラ登場となります



飛影の墓参りから数日後


彗と秋野と火月の3本槍はレストワールドで通常の生活に戻っていた


レストワールドは幾つもの世界に支部が存在しており、精鋭である500名のみ本部に所属することができる

どの支部の者達も本部に配属されることを夢見て日々精進しているが、当然ながら彗達は本部所属だ


そんな一応は学校であるレストワールドに所属している者達がやっていることは依頼の消化か、訓練である


勉学で教えていることは全て訓練に含まれており、魔法や魔術、あらゆる種族の生態や、傷の処置の仕方などの生き残るための術のみ

国語や数学などは特に教えていなかった


「あ~暇だ~」


彗と火月は依頼をこなす為にほかの世界に行っているため、本部には秋野だけ残っていた

依頼にはC~Sランクまであり、本部にはA~Sしか依頼がシステムになっている

ランクが高ければ高いほど難しくなり、報酬でもらえるモノ(お金やマジックアイテム)は質が高くなる


ただ、依頼には人数制限が設けられている

5人と決められていた場合、5人未満でも駄目であるし6人以上でも不可なのである

また、レストワールドには強さランキングがあるため、依頼にもその強さランキングは絡んでいる


今回彗と火月が受けた任務は人数制限2人で、強さランキング100位以上であることが条件である

二人であるため、3本槍の3人はくじ引きで行く者達を決めた


「何で右を引いたんだぁぁあ!!」


外れを引いた秋野

訓練用の草原でゴロゴロとふて腐れていた

先に彗が当たりを引いて火月か秋野どちらかになり、当然ながら彗と一緒に行きたかった恋する乙女の秋野は気合を入れて引いたが見事に撃沈した


「…暇なら相手しない?」


そんな暇していた秋野に声をかける少女


「フランか~いいよ~」


秋野に声をかけた少女フラン

強さランキング321位であり、吸血鬼である

実力的には反則級の上位に位置しており、吸血鬼としての性能であれば別格であるリーベを外せばそれなりに上のほうである


「よいしょ」


秋野は立ち上がるとフランは構える

秋野とは何度も依頼を共に受けてそれなりに仲が良い

そしてその強さに憧れて密かに師匠としていた

フランが声をかけたのも、秋野が暇そうにしていたので訓練で相手してもらい色々と教えてもらおうという魂胆である


《ベルッティ》


フランは魔力を解放し、爪を伸ばしながら魔法を発動

フランの魔法は影を操る

見える範囲であるが影から影への移動や、影を使っての攻撃を行うことができる

暗闇であれば周囲の全てを操作することができるが、影を打ち消す光には弱い

まだまだ発展途中の魔法だ


自身の影を伸ばし、身に纏う


秋野も魔力を解放するが、魔法は発動しない


「いくよ~」


一切フランに油断は無かった

しかし、秋野の姿が消えた瞬間蹴りが顔を吹き飛ばした


「終わり、反応が遅いかな」


「いやいや、今の反応するのは無理よ!少しは手加減してくれてもいいじゃない!!」


実力をあわすことなく、絶対強者級の本気でフランを攻撃した秋野

反則級の上位であるフランにその攻撃を避けろというのが無茶である


「…ごめん、誰であろうと手加減するなって師匠から言われてるから」


秋野達はそれぞれ魔王や魔王補佐を始めとする飛影関連の絶対強者級に教えられてきた

彗を重点的に鍛えたのはダドマとラインとアンジェレネ

火月を重点的に鍛えたのはアユリとシーレイと静紅

秋野を重点的に鍛えたのはギルギアとリタとリーベである


特にギルギアから徹底的に教えられた(強制)秋野

いつでも誰でも手加減抜きで相手せよと骨の髄まで叩き込まれている


「そんなに強い貴方を教えた師匠って誰なのよ?」


「ひ…秘密」


(SSランク…とは口が裂けても言えない)


訓練できそうにも無いと判断したフランは秋野の隣に座る


「そういえば聞いた?ゲームの話」


「なにそれ?」


初耳である秋野

そもそもゲームと言われても何を指しているのかわからない


「先生達が話しているのを聞いたんだけど、レガシー博士が残した訓練用のゲームだそうよ」


(杏ちゃんが?)


「なにそれ?」


身内に杏の作ったマリエッタがいて、更に先日会ったばかりであるが初耳であった


「なんかバーチャル世界で遺跡って言われるダンジョンをクリアするゲームらしいわ。相手は反則級の上位クラスや絶対強者級とかで戦いの経験を積ませるには良いらしくて今度本部の生徒だけでやるみたい」


「あ~それ便利そう」


バーチャル世界であれば死ぬことはないし、絶対強者級との戦闘の経験にもなる

肉体と違って魔法であればバーチャルであっても強くすることはできる


(…何か100年前にもやってた気がする)


杏が試作品として持ってきて、魔王達で遊んでリアルな世界で喧嘩になり危うく世界が滅びそうになったことを思い出す秋野


「でも、バーチャルでも絶対強者級なんて作れないと思うのよね。居たとしても私と同程度だと思うから貴方はつまらないかも」


それはありえないとフランの発言を脳内で否定する秋野

飛影が唯一天才と思った少女であり、リアル世界で絶対強者級であるマリエッタを作成した人物である

バーチャル程度であれば絶対強者級程度楽に作れるであろう


「それっていつ頃やるか知ってる?」


「えっと…確か3日後だった気がするわ」


「へ~ありがと!じゃあ何か2日くらいで終わる戦闘系の依頼受けようかな」


杏の作品である

感覚を研いでいないと痛い目にあうと判断した秋野


立ち上がり伸びをする


「あ!!それ私も一緒に行きたいのだけど?」


今がチャンスとフランも立ち上がり秋野に提案する


「人数制限次第だけどね!いいよいこっか」


勝手に師事されているとは知らない秋野は笑いながらフランの提案を受け入れて、依頼受託用の部屋へと歩みを進める


===============================================================


「だから!!こっそり裏からって言っただろうがぁぁ!!!」


「え?でも正面突破の方が早くないか?」


任務を遂行中の彗と火月

反則級上位が数名居る盗賊に奪われた宝を取り戻して欲しいとの依頼であった

盗賊のアジトを突き止めた彗と火月

作戦として立てたのは裏からこっそり侵入して宝を取り戻して、盗賊たちを滅ぼす

であったが、火月が面倒くさいと思った瞬間、正面から殴りこみをかけたのである


完全に囲まれている


「火月魔法禁止だからな、お前の範囲でかいから宝が埋まったら掘り出すのがめんどくさいし、あとなんかやる気なくなったから一人でやれ」


もうコレで何回か数えるのも無駄なくらい彗の考えた作戦はうまくいった試しが無い

大きな溜息を吐いて彗はその場に座り込んで、いじけ始める


「うっしゃあ!!燃える!!燃えるぜ~!!死ぬ準備ができた奴から掛かって来い!!!」


一人で任されたことにテンションが上がる火月

魔力を全解放

立派な絶対強者級の魔力が解放される


それまで侵入者を殺す意識であった盗賊たちであるが、当然ながら実力差は既に理解した


『逃げるが勝ち!!』


命あってこそ

それを理解しているからこそ、馬鹿みたいに強い奴と戦って殺されても意味が無い

50名ほどで取り囲んでいたが一斉に逃走を始めた


「…あれ?来ないのか?」


向かってこず逃げた盗賊たちを見て一気にテンションがガタ落ちした火月


「つまんね~」


火月もその場に座り込む


「おい!!宝もって相手逃げてんだろうが!!何座ってんだよ!!」


「大丈夫大丈夫!地雷を周囲にばら撒いたから踏めば吹っ飛ぶ!!」


ちなみにその地雷は彗の指示である

火月の魔法で鎖の素子をばら撒いた

踏めば跡形もなく吹っ飛ぶレベルのものである


「魔法解除しろ!!宝が吹っ飛んだらどうすんだ!!?」


あくまでもそれは、宝をキチンと奪取して取りこぼした盗賊たちを倒すための策である

宝を爆破したら始末書何枚書けばよいのかわからない


「ったく!警戒距離5キロに展開して取り合えず魔力が高い奴から撃破!!宝を奪取したら何か知らせろ」


結局こういうことになるのか…と彗は自棄酒したい気分で魔力を解放して付近で一番魔力が高い者へと向かっていく


「全く!!相手が逃げなきゃ楽だったんだけどな~」


完全に自分のせいであるが、それはそれと棚に上げて火月も盗賊たちを追う



結局、何とか宝は奪取し盗賊団も滅ぼしたが想定よりも精神的に疲れた彗


(これ…結局俺一人の方が早かったな~)


再び溜息を吐く彗であった



彗は苦労人です

彗の苦労がなくなる事はありえません(物語的に)



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