3本槍
さて、記念すべき第一話ですね。
このシリーズの最後になりますので、ハチャメチャ魔王か災厄の生き様のどちらか見ていないとわからないと思いますので、ご注意ください。
X0001024世界
世界間の境界がゼロとなり、無数の世界への行き来が容易になった時代
各世界は戦乱の時代となった
そんな中でもXの名がつく世界は、科学技術はあまりなく魔法技術が発展している世界につけれられている世界である
そして、各世界から『世界を壊す』以外の依頼を受けて対処する学校『レストワールド』へと依頼があった
X0005083世界からの侵攻を止める為に、無力化して欲しい
それが依頼内容である
X0001024世界からの兵士約5万人と、レストワールドから送られた3人がX0005083の世界に集結していた
「はぁ~いつ頃終わるんだろうこの戦争」
5万もの兵士達が集まっている中、一際豪勢なテントの中にレストワールド所属の佐藤秋野がいた
X0005083世界とX0001024世界の戦力差は圧倒的であった
X0005083世界には二人もの絶対強者級がいる中、X0001024には反則級が50名あまり
それは戦いとはいえず、虐殺ともいえる戦力差である
絶対強者級相手では防ぎきれないため、レストワールドへと依頼を出すことにしたX0001024世界
そして、3人だけ
レストワールドが誇る最強の3本槍の絶対強者級を集結している
その3本槍の一本、100年前と姿形が変わらない佐藤秋野
レストワールドの対外用の制服である白のコートを着用していて、中はTシャツに長ズボンと見かけは乙女であるがおっさんのような格好をしている
「まぁ相手に絶対強者級がいるから慎重になってるんだろ!秋野さん我慢だよ」
広いテントに二人しかいない
秋野の独り言に答えるは同じく姿形は100年前と変わらない市原火月である
火月も秋野と同様に3本槍の一つ
格好は100年前と同様に上下ジャージに白のコートを着用している
「あ~めんどくさい…相手が絶対強者級でも魔力だとたかがしれてる絶対強者級もどきでしょ」
既に依頼されてから1週間
3本槍が投入されたその日にX0005083の代表である国を篭城戦まで追い込んだものの、依頼主から待機を命じられている
相手は魔王と比較すれば絶対強者級もどきともいえる相手である
秋野からすればそんな相手に何を警戒するのやらと溜息を吐く
そんな中レストワールド専用のテントの扉が開く
「あ~そんな会話してる中最悪の知らせだ」
やってきたのは3本槍の1本
秋野や火月と同様に姿かたちは変わらない安倍川彗である
その表情は憂鬱そうである
「相手を消耗させるため、更に1週間待機だそうだ」
作戦会議に参加していた彗
ふざけろとしか思えない作戦に溜息を吐いている
「…彗先輩1週間って、3日後にはあの日ありますよね?参加できなかったら私たちリタさんに殺されますけど!!?」
「そうだぞ!!参加できないのはリタさんに殺される以前に、私がヤダ!!」
「だから最悪の知らせだっていっただろ!!?」
彗、秋野、火月共にあの日を大切に思っている
その中で彗から知らされる作戦
文句は出るが、彗としても助けられている側でありながら部外者は口を出すなとばかりに無視される作戦会議にストレスが溜まっていた
「…じゃぁ始末書書くのは皆で我慢することとして」
依頼を達成できてもクライアントからの不満があれば頑張っても丸々一日掛かる始末書
秋野はリタに殺されないための作戦を考える
「今からカチコミ行きますか!」
「賛成!!!」
「まじか」
秋野の作戦とはいえぬ提案にすぐに賛同する火月と、溜息を吐きながら賛成のために手を挙げる彗
「じゃあ詳細は彗先輩お願いします」
単細胞である秋野は、3本槍のリーダーポジションである彗に丸投げする
「作戦は特に考えない、広範囲に攻撃できる秋野と火月は相手の絶対強者級を相手しながら敵戦力を削る。俺が本拠地を破壊する。相手の絶対強者級は風神と炎神と言われてるからまぁ風の魔法使いと炎の魔法使いだろ」
「相性的には私が風使いを相手にして、火月ちゃんが炎使いかな?」
「だな!!」
篭城戦まで追い込んだといっても、敵の戦力は10万以上
国全体を覆う巨大な壁とその壁に魔法を防ぐための結界を張っている。更に数としては負けている
X0001024世界としては慎重になるのも仕方ないであろうが、3本槍の考えは異なっている
「じゃあカチコミ行くか!」
「OKです!!」
「最高だぜ!!」
いぇいと両手を高く上げる二人
「じゃあやるか」
彗の一言が放たれると同時に、魔力を解放する3人
それは世界を気紛れで滅ぼせる程度の絶対強者級の魔力である
そして、他の兵士が止められる隙も与えず、音速を超える速度で向かう3人
3人の魔力に反応して敵国から2人の絶対強者級の魔力が解放されて迎撃のために、同様に音速を超える速度で接近する
遅れて反則級以下の戦力が、迎撃のために壁へと位置する
「じゃあ彗さん頼むな!!」
《爆撃・とりあえず分担!》
火月の手に赤い鎖が出現する
それを向かってきている絶対強者級の二人の間へと振り払う
鎖の長さは約3キロほど
「ぱちんとな」
長大な鎖が二人の絶対強者級の間へと接近した瞬間に、赤色の発光後鎖が大爆発を起こす
それを避ける為に2人の絶対強者級は左右へと跳躍し、想定どおり分担される
「じゃあいくか!!」
「どっちが風神ですかね!?」
分担はさせたものの相手の顔写真などは無かったため、どちらが風人か炎神かかは3人にはわからない
「あ~もう!!いいや適当にこっち!!!」
考えるのが面倒な火月はとりあえず勘で一方を追いかける
「じゃあ私はこっちですかね」
同じくあまり頭を使わない秋野は火月とは逆のほうを追いかける
(…予想通りだよ)
彗はもう慣れていた
どれだけ作戦を練ったとしても火月がそれを粉砕し、それに便乗する秋野である
念密な作戦はもはや意味がないので、正直今回考えた作戦もてきとうであった
彗は彗で自分の作戦を果たす為に敵国へと直進する
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爆風を回避した片割れ
火月が追いかけたほうである人物は国から一定まで距離を離し戦える準備ができあがると動きを止める
「俺は絶対強者級が一人風神シラヌイ、いざ尋常に勝負!」
魔力が吹き荒れ風が荒れ狂う
「…間違えたぁぁぁぁ!!!!!!」
頭を抱える火月
火月の勘はよく外れる
同じ絶対強者級を相手取る上で火月の爆発の魔法は風魔法には相性が悪い
「まぁいっか!!レストワールド3本槍が1本、強さランキング第3位!!!攻撃力なら第1位市原火月参る!!!!」
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そして爆風を回避したもう片割れ
秋野が追いかけたほうである人物も同様に国から一定まで距離を離すと動きを止める
「俺は炎神アカツキ、さっさと殺してもう一人を殺しに行かなきゃいかないから早く始めようぜ!!」
魔力が吹き荒れ熱気が周囲に拡がる
「…やっちゃった」
(私は問題ないけど、火月ちゃん大丈夫かな…とりあえずさっさと倒して援護しに行こうかな)
溜息を吐きながら、肩をまわす
「レストワールド3本槍が1本、強さランキング第1位…佐藤秋野行きます」
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「さて、とりあえず壊すか」
魔法兵器による砲撃が彗を襲う
約5000もの砲撃、一つ一つは反則級の一撃である
それを全て避けながら魔法結界を張る城壁へと接近する
「レストワールド3本槍が1本、強さランキング第2位で肉弾戦第1位の安倍川彗突貫する!!!」
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