表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

ありがたいお話

 けたたましいブザー音とともに、ゲームがスタートした。

 手には大量の銀のつまようじ。残り時間は2時間。

 どうする?今売る?もうちょっと高くなってから売る?

 今の値段は6000円。もうちょっといける。

 それより肝心なのは、誰が脈を測られているかだ。

 その時、大きな声が聞こえた。

「お前ら!聞いてくれ!」

 誰だ?

「みんな、俺の名前は大田だ。急な話して悪いけど、今すぐにつまようじを売ってしまった方がいいぞ。後で後悔しても知らないぞ!」

「何でだ?」聴衆が聞く。

「このゲームで脈を測られてるやつを俺は知ってるんだよ。ゲーム開始前に聞いた」

「ちょっと、誰にも教えられてないんじゃないのか?」

 俺は気になって聞いた。

「違うんだ。この会場に一番乗りできた俺にだけ、こいつを渡してきたんだ。ほら、この紙に書いてる。隼。お前だよ」

 そう言われた隼は自分のリストバンドを見て驚いていた。

「お前ら、不思議に思わなかったのか?これじゃ100%勝てるゲームじゃないか。なぜ脈を掛け合わせるのか……それは、もし脈が0になったら、リターンが0。結局、俺たちが参加費だけ取られたってことになるんじゃないのか?」

 確かに。でもそんなに縁起の悪いこと、そうそうないんじゃないか。

「それが怖いなら、隼の命がある今のうちに、売っておいた方がいいぞ」

 そう言って、大田は個室に入って行った。


 今のうちに売っておいた方がいい……確かにその通りだ。

 その時、隼が俺の手を握って、奥に引きずり込んできた。

「ななな何ですかっ!」

「お前の名前、藍原って言ったな。まさかさっきの話、真に受けてるんじゃないだろうな」

「い、いや……話半分というか……」

「ならいい。仲間になってくれ」

「いいですけど……」

「分かってるじゃないか。他にも2人仲間がいる。どっちもいい奴だぜ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ