表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

売値=¥100 買値=¥10000 (変動あり)

 この隼とか言う男。他の誰にもない凄味を感じる。

 顔はどちらかというと穏やかだが、この人と戦ったらまず負けるだろう。

 次に、志渡(しど)という女。

 穏やかそうで、ちょっと可愛い。

 ああ、ダメダメ。今は竹下さんとの仲を戻さなきゃ。

 ちょっと頼りなさそうな男の女々谷(めめたに)

 そして最後は、ガリガリの渡辺だった。

 この10人。一体何が始まるのか、まったく分からなかった。でもそれは、会場の皆が同じだった。

「では、ただいまより今回のルール説明を行います」

 ルール?何かゲームかなにかをするのか。

「……その前に、ゲーム上におけるお金の代わりになる、例えるならルーレットのチップのようなものを配ります」

 そう言って田原は、一人一人にずっしり重い箱を渡してきた。

 箱を開けると、中には細い銀色の棒のようなものが入っていた。

「針かな?いや、違う。この形は……金属でできたつまようじ?」

「これは、純銀製のつまようじです。一人500本。占めて5万円です。ですが、今はあなたたちに無償でさしあげましょう。さらに、プレイ次第ではこれを50倍以上に増やすこともできます」

 250万円……僕は唾を飲み込んだ。

「もうひとつ。このバンドを手首に巻いておいてください。あと、絶対に外さないようにしてください」

何だろう。盗まれないためのものかな?

「さて、今から行うゲームですが、ルールは簡単。さっき巻いていただいたバンドで、脈拍を計っています。その10のデータのうち、1つがゲームを動かします。今1つ100円のつまようじが、脈拍数だけ掛け合わされる。例えるなら、脈拍数50なら、100×50で5000円になります。これは、随時変動するので、脈拍が多いときにつまようじを売ってしまえば、多くの現金を得ることができる。投資と同じです。各自で考えて、つまようじを売り買いしていただければいいのです。禁止事項は1つ。つまようじを1000本以上持つこと。これだけです。売り買いするときは前のカウンターへお願いします。では5分後ゲームスタートです」

 とりあえず、目の前の数字が多いときに売ってしまえば、大儲けできるってことか。

 脈拍なんて50より下がることはあんまりないから、絶対に儲かるじゃん!

でも、脈拍を計られているヤツが誰か分からないのは引っ掛かる。

そんなことを考えるうちに、開始のブザーが鳴っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ