すべての始まり
「あ~!もっと金があったら、もうちょいいいくらしができるのにな~!」
ワンルームの部屋のなかで、藍原は足をばたつかせていた。
今年で短期大学をなんとか卒業したところ。一人暮らしって憧れてたけど、そんなに良いもんでもないみたい。
バイトと親からの仕送りでは、食費生活費で大半が飛んでいく。
僕はもう社会人か。そろそろ一人称も俺にしないといけないかな?
それどころじゃない。まだ就職ができていないのだ。
ピンチ。人生のピンチ。今までかつてないピンチ。
面接は受けてんだよ。でも、ここぞと言うときにあがって、失敗する。
藍原は大きなため息をついた。
その時だった。メールの着信音が鳴った。
from:竹下さん
彼女からだ!
あいっちって、あんまりイイ人じゃなかったみたい。あのときの熱意はどこいったの?
もう私達、終わりかもね
最悪。今までなんかいも祈られたけど、このやられ方は悲惨だ。
僕は手足をバタバタさせた。
その時だった。僕はあることに気づいた。まだ続きがある。
最後のデートとして、一緒に参加しましょうよ。
詳しいことはいいから、明日の2時に駅前西口集合ね!
何に参加するかはわからない。でも竹下さんのことだし、変なことにはならないだろう。たぶん。
って言うことで、今から出発。竹下さん、より戻してくれるかな?
駅についた。竹下さんは……いた!
「おーい、竹下さーん!」
「もう、そんなに大きな声で呼ばないで。今から、絶対にしゃべらずに、私についてきて」
「わ、分かった」
言われるままついていくと、大きなドーム型の建物が見えた。
「えっ、ここ?」
「ええ。今日はBリーグよ。あなたが最後だから、待たせちゃダメよ。ほら、入りなさい」
建物に入ると、もう9人の人が集まっていた。みんな僕と同じくらいの年だ。
その時、部屋の奥から男が出てきた。かなり背が高くて、かなりイケメンだ。
彼がマイクを持って、集団の前へいく。
今から何が始まるんだ?
「皆さん、こんにちは。私の名前は田原と言います。これより行いますのは、心理の実験。あなた方には、ただのゲームだと思っていただければよろしいかと思います。ルール説明の前に、点呼を取ります。藍原」
「は、はい」
僕は慌てて返事した。
ヤンキー風の男の頭部。
少し太った男の井上。
ものすごくでかい大田。
ギャル女の片瀬。
アホみたいな顔の立花。
そして、何かものすごく凄みがあるような顔をした、隼という男だった。