新王国歴二十五年三月二十日
(分厚く紅いビロードの豪華装丁本の第1ページに)
建国二十五周年記念出版
さいはてのボクとみんなの王国建国物語上巻
――ボクとみんなの航海日記編――
『ナンス王国暦576年8月。
ナンス王国王都ナンシェリアは革命軍によって攻撃され、あっけなく現王政は倒れた。
革命軍の頭は王国随一の将軍であったエリオン。
長年の宿敵ファンランド王国と同盟を結んでの、電光石火のクーデターであった。
竜王メルドルークの血を引く第二十四代国王ナファールト・ド・ナンス陛下は玉座を追われ、王都ナンシェリアの白亜の宮殿より連れ出され、ファンランド王国に身柄を引き渡された。
陛下ははるか大洋の彼方、世界のいや果ての小島へ流されることとなった…。
これは島流しにされた不遇な国王と、彼と最後まで運命を供にしようと、意を決して王に随行した忠臣たちの手記である。
新王国歴二十五年三月二十日
わが君ナファールト陛下の新王国建国二十五年を祝し、
さいはてのボクとみんなの王国侍従長ジョルジォ・ネイス、
ここに序文を記す』
深読みボクみん①
書いているのはネイスさんです。つまりそういうことです。
くれぐれも真に受けてはいけません。