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百鬼繚乱  作者: 睦月
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Another Side-0

睦月です。

何とか執筆のペースを上げていますが、自分の文章力のなさに悲しくなってきます。

暇さえあれば、色んな人の小説を読ませて頂いてますが、自分の文章が恥ずかしくなってきます……。

何とか頑張って書いていきたいと思います。

よろしくお願いします。

 天正10年6月2日―――――……。


 京の都、本能寺―――――……。


 早朝という時間帯のため、燃え盛る炎が薄暗い夜空を紅く染めていた―――――……。




 高台から、鎧に身を包んだ一人の武士(もののふ)が険しい顔で眼下に広がる後継を見下ろしていた。

 燃え盛る境内へ、次々と兵達が駆け込んでいく。

 無勢に多勢、まさしくこの事をいうのだろう。

 男は目を閉じ、心中で囁いた。

 あの燃え盛る本能寺には、第六天魔王と自らを名乗った人物織田信長がいるはずだ。

 今、最も天下統一に近いと云われていた織田信長の終焉を迎えようとしていた。


「やっと、苦労が報われますな、光秀殿」


 背後から、一人の小柄な男が姿を現す。

 名を呼ばれた明智光秀は肩越しに振り返り、声の主を確認する。


「羽柴殿、貴方の協力がなければ成し遂げれなかったでしょう」


 羽柴秀吉は手に持っていた扇子を広げ、口元を隠すかのようにしてパタパタと顔の前で小刻みに扇ぐ。

 その姿を見て、光秀の中で後悔の念が暴れまわる。

 秀吉とは古い付き合いではあるが、どこか得体の知れない野心を抱いている気がしてならなかった。

 しかし、今こうして共にとある計画を実行している。


「しかし、貴方が信長様を裏切るとは思わなかったですよ」

「確かにわしは信長様の下で、信長様の描いた世界を見てみたいと本気で思っておった」


 秀吉はパタパタと扇いでいた扇子をたたみ光秀の横に並ぶと、燃え盛る本能寺を扇子で指す。


「だが、いつしか信長様は変わられた。

 わしにはもうあの方が何を考えているのか、わからなくなってしまったんじゃ」


(そう―――――……。

 信長様は変わられてしまった)


 戦を重ねるごとに、その異様なまでの行動が目立って来た。

 家臣の誰もがその異形に畏怖さえ覚えていた。

 しかし、誰一人として織田信長の行動を咎める事が出来ず、少しでも歯向かう者がいれば容赦なく処刑していった。

 光秀は何故そうなってしまったのか、その原因を探るために密かに自らが持つ力を最大限に活かして情報の収集に当たった。

 その結果一つの事に辿り着く。

 この地に眠る巨大な闇の力に。

 闇の力に魅入られたのか、自ら望んだのか、その真意はわからない。

 闇の力を封じるために、一つの計画を練り上げた。

 その計画は元々明智家のみで行うつもりであったが、どこからか嗅ぎ付けて来たのか秀吉も途中より加わることになった。


「どんな理由があろうと、この力は人間が手にするものではない」


 光秀は力の源となっているであろう各地の地脈源を封印していった。

 本来であればあと数年はかかったであろう計画を、秀吉の助力により予想を遥かに上回って計画を驚異的な速さで進める事が出来た。

 その異変に気付いた信長は、急遽天下統一の総仕上げとして各地の制圧という理由で軍を派遣した。

 が、本当の目的は各地に点在する地脈源の調査であった。

 焦りのせいか、信長の身辺が手薄になった。

 その期を光秀が逃すことはなかった。

 未だに赤々と燃える本能寺を、光秀は目を細めて眺める。


「これで、いいのだ。これで……」


 それ以上言葉は出なかった。

 光秀もまた信長の治めた天下を見たかった一人なのだ。

 

「して、光秀殿」


 静寂の中、不意に秀吉が光秀に声を掛ける。

 その瞳は異様な光を帯びている事に、光秀が気付かないわけがなかった。

 出来る限り冷静を装い、秀吉を真正面から見据える。


「何でしょう、秀よっ―――――……?!」


 刀が、心の蔵を貫く。

 全身から生気が抜けて行くのがわかる。

 ガクッと膝から地面へ崩れ落ちて行く。

 秀吉にこの計画を知られた時点で、光秀の中でこうなる事はどこか予想できていた。

 最初は信じられないような表情で話を聞いていた秀吉も、話を進めて行く事によって目の色が変わっていったのを今でも思い出す。

 だが、それでも彼の力が必要だった。

 この計画を完全なモノにするためには。

 刀がゆっくりと抜かれ、更に血が傷口から止めどなく噴出してくる。

 薄れゆく意識の中で、秀吉が彼の懐から巻物を取り出す。

 ゆっくりと光秀の身体が地面へと倒れ込む。

 視点の定まらない視界の中で秀吉が何か喋りかけているが、もうその言葉は彼には届かない。

 おそらくは、巨大な力を手に入れた事に喜んでいるのかもしれない。

 長々と何かを話した後、背を向けてその場から立ち去って行く。

 その後姿を見ていた光秀の口元が微かに歪む。

 それは悔しさや怒りではない。


(これで、完成する―――――……)


 あの会談の、秀吉の異様な光を放つ目を見た時に、自らの命を賭して完遂する計画を思い付いた。

 一種の賭けではあった。

 だが、光秀はその賭けに勝ったのだ。


「……の、信長様―――――……」


 燃え盛る本能寺に向かって手を伸ばす。

 心底惚れていた。

 だからこそ、許せなかった。

 闇の力を。

 伸ばしていた腕が、力なく大地へ落ちる。


「私は、貴方が描いた天下を見てみたかった……」


 それが、明智光秀の最後の言葉だった。

前話で明智の名前を出したので、その経緯を描こうとしましたが、自分のイメージを文字に表せなく支離滅裂な文章になってしまったかもしれません……。



12/18…サブタイトルを変更

次話から本編に戻ります。

何卒、こんな文章力しかない睦月ですが、長いお付き合いをよろしくお願いします。

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