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愛とは  作者: LS
9/12

好きという息苦しさ

何度か、友達も交えて飲んだ。2人でも居酒屋に行くことが多かった。


告白してくれた日は、彼の家だった。居酒屋で飲んだ後、彼の家で宅飲みをした。


友達、2人が寝静まった後、私は彼の腕の中で寝ていた。


ふと目を覚めた時、彼と目が合った。


『寝顔も可愛いね』


彼に、可愛いと言われると私は照れ隠しができなくなる。


『ごめん。腕辛かったよね』


『そんなことないよ。ずっとこうしてたい』


『私も…』


『可愛い。もう俺のものにしたい』


『私もものになりたい』


本当、馬鹿だった。これが彼の罠と、上下関係の言葉だったということに何も気づくことなく

彼と深いキスをした。


そして朝、私は仕事だった為、彼の車で家に帰った。誰かの車に乗るのは、初めてだった。


『送ってくれてありがとう』


家に入る前に、彼が私の腕を引っ張り、キスをした。


幸せだった。周りからも美男美女だとちやほやされるのも嬉しかった。


そして、彼と初めての経験もした。痛さと彼の優しさに溶け込んでいくような時間だった。


私の作った朝ごはんも美味しそうに食べる彼。彼とベットで結婚の話をする時間は、幸せで楽しかった。


『俺は、結婚したら家庭に入ってほしいと思ってる』

その時の私は、彼の言葉に疑問すら浮かばなかったのだろう。


『だから、結婚したら仕事は辞めて欲しい。何不自由のない生活にしてあげるから』


私は、本当に彼と結婚することを夢に見ていたのだろうか。1か月も経ってないカップルが、家庭に入れ。仕事は辞めろと果たして言うのだろうか。


でも、周りが見えなくなるというのはこういうことだ。


私は彼が本当に私と結婚を考えてくれている…そう思った。


だから、彼が親に会ってほしいと言われたときもすんなり受け止めていた。


そして、彼の親に会う当日、私は友達と遊んだ帰りだった。


友達も送ってくれるということで、彼の車に乗って彼の家に向かった。


初めて、彼の家で2泊3日のお泊まりをした。彼とは、久しぶりに会った。


まともに休めず、やっとの休みだった。


『なんか、久しぶりで緊張する』


『何それ(笑)』


2人でドラマを見て、お風呂に入って寝た。


久しぶりの彼の匂いと触れる手に私は彼に溶け込んでいった。


そして、彼の家から仕事に向かい、また彼の車で彼の実家に向かった。


彼の家は、焼き鳥屋さんだった。お兄さんとその奥さんはとてもいい人だった。


ゼリーとフィナンシェをとても喜んでくれた。でも彼のお母さんには、歓迎の一言もなく


私の目も顔も合わすことがなかった。


『掃除がね。できないから、掃除さえしてくれればいいから』


お兄さんの横でスナックを開いているお母さん。モンスターペアレントとはこういうことだと思った。


でも、彼とお母さんはあまり話してなかった。仲が良くなかったのかもしれない。


お兄さんと奥さんの娘さん・息子さんもとても可愛かった。


でも、私は不思議に感じることがあった。


奥さんと一人。女の子何人かが店の前で話していた。


【誰なんだろう…】


『あれね。元彼女だよ』

娘さんが私にそう教えてくれた。

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