表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/134

 引っかかりを感じつつも魔法具店で相性のいいオーブを選んでもらうと、武器屋で買ったロッドにセットした。大陸の施設にいた頃には隠し持っていた古いオーブをみんなで使いこっそり練習していたが、その時とは段違いの魔力の馴染み感がある。


「カイル隊長、ありがとうございます!」


「使えそうだな。じゃあリコ、俺たちはちょっくら行ってくるがその前に」


「ああ」


 リコは何をするのか分かっているらしく、そう言われただけでカイルに頷く。


「なんだか逆に妙だな。どこにいようが細々と繋がってたもんな」


「そうだな」


 フィルはリコとカイルの間にあった見えない繋がりが解かれたことに気づいた。

 これもオーブのように気になっていたことの一つ。あわよくばダンジョンの中でカイルに理由を聞けないか……そう思っていたが、リコの表情を見て聞いてはいけないような気になってしまった。


 テイムの繋がりが切れたリコは、なぜかとても不安そうな表情をしていた。

 いつもの少し冷たい、感情の読み取りにくいまっすぐな表情ではなく、迷子にでもなったかのような。


「カイル……」


 カイルは不安を隠せないまま自分を見上げたリコの背中を、心配ないとでも言うように二回叩いた。

 リコはそれに自分を納得させるように頷くと「気を付けて行け」と小さく言った。


 フィルにはどこか入ってはいけない大人の雰囲気のようなものを感じ、そっと離れるとダンジョンの前でカイルが来るのを待った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ