第十五エロその5
助態たちは休憩した後、すぐに出発した。
近くにあるというスライムの巣がどんなものかは不明だが、近寄らないに越したことはない。というのが満場一致の意見だった。
リンネーンの町に到着すると、ハクダクがちょうどいた。
「勇者様ー!みなさーん!お久しぶりでーす。」
相変わらずのモフモフっぷりだ。
兎獣族とはまた違ったモフモフ感が栗鼠族にはある。
聞けば、鉄爆は結構前に完成したらしい。
ハクダクはこの山の工場でしばらく修行をつむことにしたらしい。
約束通りに鉄爆を貰った助態たちはそのままサイネ市へと向かうことにした。
「…重いんだけど!」
歩きながら助態が文句を言う。
鉄爆は、その効果こそ絶大なのだろうが、かなり重かった。
よくよく考えてみれば、鉄の塊なのだから思いのは当然だろう。
それにしても誰も持つのを手伝おうとしないのは、助態には計算違いだった。
もふともとぱいおは、助態が自分で使うと言った武器なんだから自分で持つのが当たり前と言った。
くびちは、私はか弱い女の子だからそんな重いものは持てない。とぶりっ子キャラを出してきた。
純純とルブマに持たせるわけにはいかない。
本当に力がなさそうだしか弱そうだし。
ティーパンはそんなに甘やかしてくれない。
あへは人にくっついているだけの役立たず。
アンアンの魔法を使えば済むのに、面白がって魔法を使ってくれない。
ぷーれいは助態の下半身とどっちが大きいかなどと訳の分からないことしか言わないから却下。
鉄爆の重さに押しつぶされそうになりながら、助態はみんなが先に向かったサイネ市へようやく到着した。
何だかんだでこの街は心が踊る。
華やかな町で、助態は好きだった。
みんなもきっとそうなのだろう。
しかし助態は胸を押しつぶすような感覚に襲われる。
重いのは鉄爆だけのせいではない――