第一エロその5
仲間になったくびちともふともは非情に仲が悪かった。
その上どっちがよりこのパーティーにふさわしいかを議論した後に、助態と純純に訊くという空気の読めなさだった。
『最悪の空気だな…』
頭の後ろをポリポリと掻きながら宿屋の案内された部屋に助態は向かう。
くびちが多少のお金を持っていたとはいえ、節約にこしたことはないということで、女性3人が同じ部屋、助態は一番安い部屋を借りた。
部屋に入ると先客が居た。
『そう言えば、安い代わりに相部屋になるって言ってたな。』
そんなことを考えながら、とりあえず人当たり良さそうに挨拶する当たり、助態のコミュニケーション力の高さが伺える。
「ど…どうも~一緒の部屋になった助態と申します。迷惑はかけないんでよろしくお願いします~。」
愛想笑いを顔に貼り付けながら助態は部屋に入る。
部屋の電気は消えていて中は暗い。
部屋の奥に真っ黒いシルエットだけが見える。
シルエットがビクッと一瞬動いた気がした。
『何で電気点けないんだ?』
無言で、明かりも点けないで、全く動こうとしない部屋の相方にやや不信感を抱く。
「電気点けてもいいですか?」
それでも一晩を共にするのだ。出来るだけいい雰囲気を作るのは当然である。
とりあえず助態は下手に出て明かりを点ける了承を得ようとした。
もしかしたら眠くて寝ようとしているのかもしれないわけだから、相手に聞くのは当然だ。
しかし寝ようとしていないのは明白だった。ベッドに横たわっているわけでもなく寝ようとしている様子もない。
もっとも、座りながら寝る人もいるが、寝ている雰囲気もなければ座ったまま寝ようとしている様子もない。
何しろ助態の質問に対して首を左右に振っているのだから。
やや短いであろう髪の毛がフサフサフワフワと踊っているみたいだ。
シルエットで顔を左右に振っているのが何となく分かる。つまり電気を点けないでと言っているわけだが、さっきから無言を貫く部屋の相方にさすがの助態もやや苛立ちを見せる。
『ようし、そっちがその気ならこっちだってちょっと嫌がらせしてやるぜ。』
そう思ったのも仕方ないことだろう。
「点けますよー?」
ほんの嫌がらせのつもりだった。
だって普通想像するだろうか?
「待って!ダメ!」
部屋の相方が初めて声を発した。
そう。本当ならこの時に気づくべきだった。
しかしそんなこと頭から念頭になければ、まさかそんなことを想像するだろうか?
そんなことは想像の外だろう。
――パチ。
電気が点く。
部屋に居る2人の時間が止まった。