第一エロその3
湖の先にはやや広めの草原が広がっている。木々も生い茂っていた。
異世界に来て助態は思い知らされた。
何よりも必要なのはサバイバルスキルだということを。
そして、純純にはそのスキルが皆無だったことも思い知らされた。
石をぶつけて狩りをすると言っていた純純だったが、女の子というのもあるが当然ながら、鳥にも獣にも石を当てることは出来なかった。
もちろんそれは助態にも言えることだった。
それに何より、捌くための道具がなかった。
よって、
「生で食える木の実しか今のところ無理だな。」
という結論に至った。
偶然にも、精林子と呼ばれるリンゴに似た木の実を見つけ事なきを得た。
精林子は見た目も味もリンゴそのものだが、驚異的なのはそこに含まれる栄養が豊富な点だった。
1個食べれば数日間は物を食べなくても平気な程だ。
果汁も豊富で果汁だけでも栄養価は高い。と純純が助態に説明した。
「それはいいけど…」
1つ、助態にはどうしても気になることがあった。
果汁が真っ白でドロッとしていて匂いもいわゆるイカ臭いのだ。
『名前込みで完全に精〇じゃん…』
美味しそうにジュルジュルと果汁を飲む可愛い美少女を見て、助態の下半身が反応しないわけがない。
「不思議ですよね。この独特な匂いからは想像も出来ないような美味しさです。」
きちんと地面に座って行儀よく食べながら純純が言う。
しかし助態はどうしても食べる気にはなれなかったようだ。
「?勇者様どうしたのです?食べないのですか?」
「あ。あぁ。それはちょっと俺には合わないようだ。」
「美味しいのにもったいないですね。」
口からドロリと果汁を垂らして、指ですくって口の中に入れる姿がまた、助態を興奮させた。
「とりあえず先を急がないか?どこまで行けば村が見つかるのかな?」
「村…ですか?」
立ち上がって、お尻をパンパンとはたきながら純純が考えながら答える。
「ここから少し歩けばありますけど、結構遠いですよ?」
草原の先を指さす。
「いいよいいよ。モンスターとかいるなら尚更、村とかで安心して寝たいよ。」
「宿屋は結構高いですけど大丈夫ですかね?」
ここで助態は初めて気づいた。
自分はこの世界ではお金を持っていなくて、どうやってお金を稼ぐのかも知らないということを。
「ちなみにお金ってどうやって稼ぐの?」
「色んな町にたまに依頼とかがあるので、その依頼をこなすか、モンスターの素材を売るとかですね。」
「てことは、まずはモンスターを剥ぎ取るためのナイフとか素材を入れる袋みたいのも必要になってくるってことだな。」
助態が言うと、そうですね!と明るく純純が答えた。
『うーん。モンスターを剥ぎ取るってグロいよなー。グロい系苦手なんだけど純純にできるのかな?』
とりあえず助態は、落ちている木の枝を折ったり石を使って先を尖らせて、武器っぽいものをいくつか作ってみた。
「何もないと始まらないし、これで獣でも捉えて素材を剥ぎ取ってみよう?ちなみに純純剥ぎ取りとかってできるの?」
「私ですか?やったこともありませんけど、本を読んだことがあるので多分平気です。獣の口から手を突っ込んで臓器を引き出すとかもできると思います。むしろやってみたいです!」
目を輝かせながら純純は恐ろしいことを口にした。
純純はエロ系は苦手だが、グロ系は平気な女の子のようだ。
「とりあえず湖の生き物でも捕ってから行こうか?」
想像して気分が悪くなった助態が提案する。
純純は、キョトンとしながらも助態の提案を受け入れた。
2人は再び湖のほとりに向かった。
よく見れば湖はかなり広くて水は澄んだように透明だった。
中には魚が泳いでいるのか、キラキラ光を反射している。
しかし助態たちには釣り道具もなければ、作った木の枝で魚を撮れる程器用でもない。
「海藻とか貝とか捕って来るから待ってて。」
それからの数分間は、助態が海藻や貝を捕って来て、それを純純が受けとるという作業が繰り返された。
残念ながら、捕った貝と海藻は食べられるのか不明だったため、純純が持っていた革袋に入れて町で売ることにした。