第七エロその2
リンネーンの町はさほど大きくなかった。
ラーガの村と同じくらいの規模だろう。カローンよりは大きいけど湖よりは小さい。
「さてと、あるか分からんけど兎獣族の情報や、カローンの情報を聞きこむか。」
宿を確保した後に助態が言う。
「食糧とかも調達したいよなー。この辺で何か採れれば換金所に持っていくんだけど、この吹雪じゃなぁ。」
ぽりぽりともふともが後頭部を掻きながら言う。
「他にお金を稼ぐ方法と言えば、ラーガの時みたいにバイトか?」
「あ!アタイはもう嫌だからね!またスカートめくられたらたまんないよ!」
助態と2人で歩きながらもふともが言う。
とりあえず2人に与えられた任務は、兎獣族の情報とカローンの村の情報収集だった。
「くびちと純純がバイトを探してくれるって言ってたぞ?」
「何それ!聞いてないよ!純純がバイトするならアタイもする!」
「いやいやいや。もふともは俺と一緒に情報収集だろ?」
「いやだ!アタイは純純と一緒にバイトする!純純にどんな恰好をさせようかねぇ?ミニスカートとか似合いそうじゃないかい?」
鼻血を垂らしながらもふともが興奮して言う。
短い銀髪を左右に揺らしながらあれやこれやと妄想していた。
「純純ってほんとエロ要素ないよなー。」
どんな恰好が似合うか助態も考えながら言う。
「何言ってんのアンタ。純粋だからいいんじゃないか!1から教えられるんだよ?自分色に染められるんだよ?」
まるで男みたいな言い方だ。
「でも初めてってめんどくさいし。」
「そ!そうなのかい?」
ずいっと助態の顔の近くまで顔を寄せてきた。
「まぁ人によるのかもしれないけど、俺はいちいち教えたりするのがめんどくさいって思っちゃうかな。」
「そういうもんなのか…」
ちょっと残念そうにするもふともを見て、ふと助態は思い出した。
「そういえばもふともはまだ初体験してないんだっけ?」
「わっ、悪いかよ?アンタらと会うまでは盗みで食ってたような人間だぞ?男っ気どころか友達すらできたことないよ。」
ちょっと頬を染めながら、ま、今の暮らしは悪くないけど。と付け足した。
「それにあんただって、前の世界ではどうか知らないけど、こっちの世界ではまだシてないんだろう?なら童貞と変んなくないかい?」
もふともの言葉を聞いて助態の体に衝撃が走った。
確かにそうだ。
いくら生きてた世界でヤリまくったとしても、こっちの世界ではまだ童貞。それどころか1人ですら抜いていない。
助態はおもむろに、エクスカリハーを服の上から見下ろす。
「早く卒業せねば!」
真面目な顔で言うと、もふともがアホ。と突っ込んだ。