表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

トラブル発生

「あっオレ、見テキマス」

ガタンと椅子から立ち、その足でキッチンへと行く。

タッタッタ。

ピタリ。

じーー。

「・・・・ヨシ。これで大丈夫ダロウ」

カチリと火を止める。

「お茶をイレテ・・・アトは味見する」

コポコポとガラスコップにお茶を注ぐ。

そして、一気にゴクンと飲みほす。


ガタガターン!

となにかが崩れ落ちる音が、キッチンから聞こえてきた。

「んん!?・・・何か嫌な音が聞こえたんだけど?。いや・・・・まさかね」

嫌な予感がしたので急いでキッチンへと向かう

と、そこには冷蔵庫に持たれかけている颯真がいた。

「ちょっと何故口から、水が・・・いやお茶が出ているんだ!?まさか、飲んだのか!?」

チラッと横目で、お茶の入ったコップを見ると、少しだけ減っていた。

(何故こんな事をしたんだ!?とりあえず急遽修理とメンテナンスをしなくては!!)

ぐったりしている颯真を、ずりずりと自分の部屋まで引きずっていく。


「よっいしょ」

ドスンと壁に持たれかける感じで座らせる。

「さぁメンテナンスの時間ですよー。一番見なきゃならない所、見ていくよ」

口の機能を持つ部分をじっくりと見ていく。

「あー、やっぱりいくつかショートしちゃってる!!これじゃあ話す事ができない」

一旦口の中を覗くのをやめて、急いで部品倉庫に在庫があるかを確認する為自室から出る。


スタスタ スタスタ

(もし無かったら、近くの街まで買いに行かなきゃだな・・・)

はぁ、と軽いため息をつく。

私はガチャっと外の扉を開け、家の向かいにある部品倉庫を見る。

「あると良いな」

そう願いながら、歩いた。

ギィー、ガチャン。

扉を開け閉めする音が響く。

「色々な部位へ送る電源共有ケーブルと声を出す機能部分の部品とかが直す必要であるから・・・」

棚に並べられた数々の電子パーツの中から一個一個探していった。

「声を出す機能部分の部品はあったけど、もう一個のケーブルが残り2本しかない」

今度は重めのため息を一つ吐き、街へ買い物に行く準備をする。

「いってきます。」

聞いてくれる人はいないのに、何故か私はそう言って自宅を後にした。


「はぁー何かいつも一人だったから、何も思わなかったけどこんなに寂しい道だったけ?」

颯真と出かけた時の桜の道を下っていく。

「まぁ、結構颯真は自信作だし・・・きっと私の思い・・・いや、孤独を埋めてくれるだろう」

切実な願いをそっと空を見上げながら、呟く。

その言葉が空に消えていったかの様に、私は街へ向かって歩き出した。


ガヤガヤ がやがや

至る所から人の賑やかな声が聞こえてくる。

「さてと・・・久しぶり着たけど色々変わってるなぁ。てか肝心の電子パーツ屋残ってるかな?」

キョロキョロと辺りを見渡しながら街の中を歩く。

「お!見つけた。目的の場所♪今でもあって良かった・・・うん♪」

その店に近づいて行き扉を開けるとカランと鈴が鳴る。


早速飾られている筈の、電子パーツを見ていくが。

「あれ?この店商品が一つも並んでいない・・・」

すると店の奥から店長らしき人が現れて

「すまないねぇ、お嬢さん。もうここは閉店しとるんじゃよ。」

と教えてくれた。

「そうですか・・・・こちらこそ何かすいません。・・・では、外の看板はいったい?」

「ああ、その看板はのぉ、亡き妻が考えてくれたデザインでのぉ、だから外せない気持ちが勝ってしまうんじゃ。・・・・とにかく、紛らわしい事をしてしまったねぇ」

と申し訳なさそうに話す店長さんに、大丈夫ですの意を込め、優しく微笑んで渋々店の外に出た。


「はぁ、閉店とはついてない・・・行きつけだったのに・・・どうするか、遠いけど次の店に

行くかー」

そう言いって、次のお店に向かう道を歩きだそうとした。誰かに見られてる事を知らずに・・・。

「あれ?おまえは確か・・・」

その人に見覚えがあった。だから声をかけてみる事にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ