表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

家1

─帰宅─

オレは玄関で靴を脱いで、オレの中にあるデータを頼りにリビングへと向かおうとする。

「あー颯真、帰ってきてすぐにで悪いんだが、颯真に最初の仕事を教えようと思う」

ご主人は、玄関で靴を脱ぎながらそう呼び止めた。


「オレは別に大丈夫デスケド・・・博士、疲れてナイデスカ?」

少しだけ首をかしげて言った。

「私も別に大丈夫だ。それに・・・休んでる暇は無いし。まぁ、とりあえずキッチンにおいで」

博士はオレに向けて手招きをした。

「・・・ワカリマシタ!!」

そう元気に返事をして、博士がいるキッチンへと向かう。


「よし、来たな。まず最初に教えるのは、美味しいお茶の注ぎ方だ」

「お茶の入れ方デスカ・・・。よし検索シマス」

「まぁ、待て颯真。検索しなくても私が教えよう」

と検索モードに入ろうとする颯真を止める。

「じゃあ博士・・・。お願いシマス」

「お任せあれ。ではまずは、水が入ったやかんを用意して、お茶の葉{ティーパック}をその水ににつける。」

実演しながら、そう説明していく。

「そしてガスコンロの火を付けて、沸騰させる。私はちなみに濃いお茶が好きだ」

自分の好みの事も言いながら、ガスコンロに火を付ける。

「なるほど!。記憶シテオキマス」

一体何がなるほどなのか、分からないが何かを記憶している様子の颯真・・・が隣にいる。

そんな颯真を暖かい目で見つめながら、はや5分が経過した。


「グツグツと煮詰まった時それはつまり、水がお湯に変わった瞬間!その時にお茶の葉{ティーパック}を引き上げる!それと私は緑茶派だ」

ひょいっとお箸でティーパックを引き上げる。

「最後の仕上げに、やかんからコップにお茶を注ぐ」

こぽこぽとコップにお茶を入れる。

注いだコップからは、白い湯気がもくもくと立つ。

「これで完成だ。さぁ次は颯真の番だ」

はい、とやかんを颯真に突きつけた。

「やってみるヨ!博士!」

と僅かに目を輝かせながら、元気よく返事をし、颯真は私からやかんを受け取った。


「マズハ、お茶の葉{ティーパック}ヲ用意シテ・・・・それから」

初めての事で戸惑っている颯真を見て

(機械なら・・・出来て当然な事。颯真なら即座に覚える事も可能だろう。)

そう思いながら、キッチンから出てすぐの所から見守る。

「あっ!ソウダ最初は、お水をやかんに入れてお茶の葉{ティーパック}だ!」

颯真は、やかんに溢れるぐらいの水を雑にドバドバと入れる。


(雑すぎだぞ、颯真。辺り水少しこぼれているじゃないか。てか颯真の回路逝ったらどうしよう・・・)

部品的な意味で心配になりながら、颯真の事をそっと観察する。


そして颯真は、やかんにお茶の葉{ティーパック}をポチャンと入れるとカチッと火をかけた。

「後は待つダケ・・・。博士!」

颯真に呼ばれたので、颯真の所にスタスタと向かう。

「どうしたのー?颯真」

「火にかけルまでの作業は完了シマシタ!博士。後は出来上がるまで、ゆっくり待ちマショウ!」

キラーンの音声付きのドヤ顔で、説明してくれる颯真。


「ふふ、承知したよ颯真。じゃあさ、沸かしている間に軽く駄弁ろうか。他にどんな物または生き物が、この世界にあるか。まぁ颯真ならデータや検索で知っているかもだけど」

私は一度キッチンから出て、リビングにある椅子に座ると

颯真も続いてキッチンから出てきて、机を挟んだ向かい合わせの位置に座った。


「まずは、このキリンとか言う生き物や、ラフレシアとかいう匂いが強烈な花とか、人のイベントとかなら花火というイベント・動物・植物があるんだ」

「まずキリンは首が長い生き物なんだ。今度動物園でも行こう。実際見た方がわかりやすいしさー」

「で、ラフレシアとう植物は、絶対遭遇したくないから、検索してくれ」

「それで花火というのはー・・・・」

(本当は、検索スレバ全ての物をオレは知っている・・・ケド博士、どこか楽しそうだナぁ。博士が嬉しいと、オレも嬉しい気持ちに・・・)

どこか暖かい気持ちを感じながら、博士の話にうんうんと頷く。

「それでな、あの・・・」

話題がちょうど変わろうとした時に、ゴポゴポとお茶が沸騰する音が耳に入る。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ