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0日 

誰もいない村でカタカタとタイピングの音が、とある民家から聞こえてくる。

地面には本と部品しか転がってない研究室。

「これでプログラムは、完璧だ。後は本体の微調整だけか・・・・」

チラリと、起動していない人型の機械を見る。

「よし・・・始めるとするか!」

最後の行程に、ワクワクしながら調整を行う。

「・・・・・。よし、ここは大丈夫そうだな。あっ・・・こっちは少し油刺した方が良いな」

導線が古びていないか

それから破損している箇所が無いかを確認した。

少し日が沈んだ時に、最後の調整も終えた。

「何処も問題なし。後はプログラム送信だけだな。」

スッと立ち上がり、パソコンの元へ行く。

デスクトップに有る、ソースコードファイルを開くと

目の前に無数の数字と英単語が出てきた。

「ここの転送ボタンをカチカチッと押すと・・・・・」

しばらくニヤニヤしながら、見守っていると

ウィーンとパソコンが転送処理を始める。

そしてパソコンが唸る事2分。

ついに、画面には『転送完了』と表示された。


人型の機械は目を開ける。

(ちゃんと機能しているかな?・・・・試してみるか)

「こんにちは!それと調子はどうだ?」

声をかけると、機械はこちらを認識し小さく手を振った。

「コンニチハ!ご主人様。調子はトテモ良いデスよ」

(少し片言だが・・・・まぁ許そう)

よいしょっと立つと、機械も真似して立った。



「急な話だが・・・今日からお前は私の秘書だ。・・・・そしてロボットの限界を私に見せてくれ」

最後に意地悪な笑みを浮かべ、彼の反応を見る。

「ハイ、ご主人様!」

と彼は虚ろで無感情な笑顔を、私に向けた。

彼の表情を見て、私は思った。

(私は感情無き物しか、愛せないからこそロボットを作ったのに。何故満たされてない?)

「ご主人様?ドウシタノ?ナンカボーとしているけど・・・・・」

彼の声で意識が戻る。


「少し考え事してただけ・・・だ。それよりお前名前無いだろ?」

「確かに・・・名前のデータがナイ」

「うん、だから今考える。うーん・・・・・・颯真とか?」

その場で頭によぎった、名前の候補伝える。

「ソウマ!オレ気に入った!ご主人様アリガトウ!」

名前を与えられて嬉しいのか、彼はその場で何回かジャンプした。



「あっ、ソウイエバ。ご主人様の名前聞いてナカッタ」

そう言って颯真は期待の目で、私を見る。

「本名は・・・・お前が立派な秘書になった時に教えてやる。だから。その時までは博士と呼んでくれ」

「うん・・・・ワカッタ。博士改めてヨロシクデス!」

そう言って、小さくお辞儀した。

「こちらこそ、よろしくな颯真」

少量の不安が混じった笑顔で、彼を向かい入れた。


私はまだ、颯真の強度を知らない。

だから・・・・強さを知る日まで。

名は伏せておこう。

余計な悲しさを生まぬように。






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