兵士の運命
少しグロいかもしれません。。。
私は兵士
私は戦う兵器だ
冷徹に現状を見据え、
毎日多くの人を殺す人殺しマシーンだ
今日もとある戦場で人々を打ち抜き、切り裂き、爆破した
火薬の臭い、生臭い血に塗れた肉の破片、滴る血、出来る血溜まり、聞き飽きた人々の嘆き、罵声、懇願、金切り声、断末魔、
今はもう慣れたが本当はどれも大っ嫌いで、ここ最近は夢さえも戦場化しつつある
それでも私の人殺しマシーンのスイッチを入れられる
頭は殺すことだけを考え、手や足は頭に従うのみ
あぁ、もしも一つだけ願い事が叶うのなら
あぁもしも私の願いを叶えてくれるのならば
どうか私の大切な人を守ってください
自国を守るためにだなんて言っているけれど、
本当は大切な人達だけを守ろうと思っているのです
だからその人達が元気にしているか知りたいのです
愛しい我妻と子に
ズルいと言われましてもそれが私の戦う理由なので
本当はこの国に慈愛なんて微塵の欠片なんてありません
私が唯一大事だと思っているのは妻と子
それ以外には何もありません
だから私は今日も影でその人達のことを守るのです
それが今の私の幸せであり、苦しみでもあるのです
やはり私でも寂しく思う時もありますし、
殺した人の分まで背負って生きることに疲れますし、
戦いを好んでいるわけではないのに、戦わなければいけないという苦しみに押し潰されそうになりますし
ですが妻と子のためならそんな苦労もないに等しいのです
私は兵士
私は完璧に設計された兵器
私は血も涙もないブリキ人形
悲しみも楽しささえも感じれないただの人形
私を愛してくれる人はいるけれど、
私が愛した人は誰もいない
そんな私を愛してるくれてる人は今日も出張と言って朝早くから出掛けて行ってしまった
私もそのすぐ後家を出る
さぁ戦いを求めて戦場へ行きましょうかね、と
今日もたくさん戦わされた私
一体いつになったら私は開放されるの?
一体どれだけ戦えば私は人間に戻れるの?
そう言えば今日変わった人と戦ったわ
その兵士は苦しそうに……そう、まるで悪夢を見ているかのように戦っていた
今まで戦った兵士はみな自分が生き残るのに精一杯
だけどあの兵士だけは違った
まるで闇雲に戦いを求めず、理性のある獣みたいに
その兵士は戦っていた
その兵士とは結局決着はつかなかったけれど、またいずれ戦うでしょう
あぁそれともう一つ
私の夫と同じ匂いがしたの、その兵士から
おかしいわよね、こんな戦場に夫がいるなんて
しかも兵士として戦っているだなんて
今日も兵士として戦わされた
妻には職業が兵士だとは伝えていない
家には帰るがすでに夜遅し
ろくに妻と子の笑顔なんて見れやしない
それでも2人が幸せならば私も幸せなのです
ところで今日は不思議な人に出会いました
私の愛する妻によく似たお人がいたのです
でも変ですよね
私の妻が戦場になんかにいるはずがありませんのに
実はその人と剣を交えたのですが、
近くで見ると妻とは少し違いました
彼女はとてもとても無表情で
綺麗な顔をしているためそんな表情をされるとゾッとしてしまいました
でも妻はそんな表情をしたコトがありませんし、綺麗と言うより可愛いという表現の方が似合うんです
おっと惚気る気はありませんでしたがつい
しかし、また彼女と戦うと思えば悲しくなります
いくら妻ではないとは言っても、
流石にあんなに似ているとなれば、妻を殺すような錯覚に陥ってしまうかもしれませんし
それに女性を殺したくはありません
明日出会わないことを祈りましょうか
二人は今日も戦場へ
一人は妻と子のために
もう一人は自分の存在理由のために
一見すると片方は立派な理由に見えるが、
はたしてそうだろうか
よく見るとどちらも私情のためにしか戦っていない
こんな理由のために戦う兵士が毎日戦場に行けばどうなるか分かるだろう
そう、二人は数日後再び出会ってしまい、
相打ちになり、
死んでしまった
なんて悲しい悲しい話なんだろう
慌てて書いたので誤字脱字があるかもしれません。。。 すみません。。。