愛を求めて
崩れた部屋から出ようとした時何かが足に引っかかった。
足を振っても取れなかったのでかがんでみると何か箱のような物が潰れて引っかかっていた。
手で丁寧に取り外すと、潰れた箱はパカっと開いた。
「これは…。」
ほんのりと輝く腕輪だ…誰かの魔力を宿しているようだった。
テンテンのとは少し形が違うけれど、光の腕輪かな?おそらくそこで倒れていた人のものだろう。
何かの役に立つかもしれないと私はポケットへしまった。
部屋から出ると、建物の崩れる瓦礫音と共にリリーの悲鳴が聞こえた。
私は急いで駆け寄ってリリーの居場所を探した。
「リリー大丈夫?今助ける。」
慎重に魔法を使いながら瓦礫を軽くしてどかしているとジェラルドとテンテンも手伝いに来てくれた。
「一緒に瓦礫を除けよう。」
3人で瓦礫がリリーへ落ちないように作業を進めるとリリーの姿が見えてきた。
「リリー!」
「いててて、ビックリしたぁ。いきなり崩れてくるんだもん。」
「無事でよかった。」
「あ、そうそう、これを見てよ。この箱を引っ張り出そうとしたら崩れちゃってさ。」
リリーが指さしたのは大きな鍵のかかった金庫のようだった。
「開けようと思ったんだけど、暗くてよく見えなかったからさ。何かお宝が入ってるかもしれないし、ちょっと開けるの待っててよ。」
そういうとリリーは瓦礫の中から使えそうな道具をかき集めて鍵を開ける作業へとりかかった。
「いくつか家の中を見てきたが、どうやらこの街はみんなが寝静まった後、敵に襲撃されたようだ。」
そんな中ジェラルドは冷静にこの街を分析しているようだった。
「そういえば、俺がみた屍もベッドの上だったんだな。」
「あ、私これさっきの場所で見つけたの。」
私は先程の光の腕輪を2人に見せた。
「俺の持ってるのと似ているな光の腕輪か?」
「かなり古いタイプの腕輪だな、しかも何かの魔力が宿っているようだ。」
流石、ジェラルドはいろいろと詳しい。
「これ、使えるかな?」
壊れてなさそうだし使えるなら魔法の使えないリリーにでも付けてもらいたかった。
「さっきみたいに魔物に襲われた時に使えれば良いんじゃないか?備えるに越したことは無いし、燈が見つけたんだし燈が付けたらどうだ?」
「いや、私なんかより…」
「待て、どんな魔力が宿っているかわからない限り付けない方が良いだろうな。」
「何故だ?」
「ジェイマンって言う爺さんが言っていたんだが、昔の光の腕輪は今の改良された物とは違って、腕輪の中の魔力を自由に使える訳ではなく、発動する魔法は決まっているらしい。」
「それを調べない限り、発動してしまうと危険だと?」
「あぁ。腕輪に宿すくらいだ、何か特別な魔法なのだろう。」
「どんな魔法かなんてどうやって調べるんだ?」
「それもこの街を調べるとわかるはずなんだが…光の腕輪を作ったのもこの街の人たちだしな。」
この街は昔私達が思っているよりも凄い所だったのかもしれない。
でもそんな街がどうして廃れてしまったのだろう。
「なんだよそれ…そもそもこんな所に何かが有るかどうかもわからねぇのによ…しょうがないな…また手掛かりを探しに行けばいいんだろ。」
文句を言いながらもテンテンは瓦礫の中を再び探索し始めた。
「俺もまだ気になる所があるし、少し探してくるよ。」
そう言ってジェラルドも瓦礫の街へと消えていった。
ふとリリーの方へ目をやると、どうやら順調には進んでいるようだが、何か手間取っているみたいだった。
「リリー、何か手伝おうか?」
「これで開くはずなんだけど、ちょっとここめちゃくちゃちっこい石が挟まってるみたいなんだよね〜、あかり、ちょっとここ思いっきりこっちを押してくれない?」
私はリリーの言う通りにした。
小さな石が潰れる感覚がした後、カチンと鳴り鍵が開いた音がした。
「凄い、開いた。」
重たい蓋を2人でゆっくりと持ち上げると、中からは数冊の本が出てきた。
その中の一冊の本の中身を確認すると、ある儀式のやり方の詳細が書かれていた。
「儀式…?なんだか昔の人たちってかんじだね。」
そしてもう一冊は日記。
さらにもう一冊は呪いについて書かれていた。
「あかり…これって…。」
これだ。私達が探していたものは。
「みんなはどこに行ったの?」
「まだ瓦礫の中を探しているよ。」
「みんなのところへ行ってこれを見つけた事を知らせよう。」
私は街へみんなを探しに行ったのだが、テンテンは1人で色々な家を探していたみたいだったけど、瞭然とジェラルドは元は教会だったような所へ2人して居た。
「瞭然とジェラルド、こんな所にいたの。」
「ああ、こいつを探してた。」
そう言った瞭然の手には真っ黒な箱みたいな物があった。
「それは何?」
「狐だ。」
「キツネ…?」
「あぁ。探すのに苦労したよ。」
「所でみんな揃ってどうしたんだい?」
「あたしらはこの本を見つけたから探してたんだよ。」
リリーが瞭然とジェラルドに本を差し出した。
「これは…。」
ジェラルドは真剣にしばらく本を読んでいた。




