真実を求めて
私達は出来るだけ体力を消耗しないよう、魔法を使わずにメデューランを目指していた。
やっぱり歩くと言うのは急いでいる時には非常にもどかしいものだった、それにちょくちょく襲いかかってくる魔物の退治…その行動は体力を思っているよりも消耗していった。
「つ…疲れた…。」
リリーはそろそろ限界のようだ。
何しろ私達は水すらも飲んでいないから、当たり前と言えば当たり前なのだけれども…。
「メデューランまではまだ少し距離はあるみたいだ。だが…あれを見てくれ、もう少し遠くの方に草が生えてきている。近くに川や池などの水がないか探してみよう。」
ジェラルドが指差した方向には確かに緑が…その更に向こうには木々が生え揃って、森があるように見えた。
「あの森は確かデラドラルの森だ魔力を掻き乱してくれるから気配も消して進む事も出来るだろう。ただしそのお陰で森の中で迷いやすくもなるから注意が必要だ。」
しかし、こんなに遠くまで草木が枯れてるとは…ラタールから円を描くようにして、まるでラタールを避けるように雨が降っていないようだった。
「や…やっと着いた。ひ、日陰が、涼しい…」
リリーは余程疲れていたのか、森へ入った途端に座り込んだ。
「俺と瞭然で水を探してくるよ。燈ちゃんとリリーちゃんはそこで休憩してて。」
ジェラルドが私達を気遣ってそう言ってくれた。
「でも…私も「リリーちゃんの体力が限界だリリーちゃんをここに1人にするわけにはいかないだろう?出来れば一緒にいてあげて欲しい。それに燈ちゃんも魔法をだんだん使いこなせてきているみたいだしね。」
私も行くと言おうとしたところ、ジェラルドに被せるように止められた。
…まぁもっともな意見なのだけれど、私はあまり魔法を使おうとはしていないけど、だんだんと使い方がわかってきているのも事実だった。
むしろ、多分私はゴルディーやジェラルドより…強い…。
「…わかった、気をつけてね。」
こうして2人は森の奥へと進んで行った。
そしてしばらく木陰でゆっくりしているとリリーがある方向へ指を指し声を出した。
「あれ…あかりの恋人…」
リリーが指を指した方をみるとそこにはテンテンが立っていた。
「テンテン!!!」
私はテンテンの元へ駆けつけた。
「あかり…。」
「探してたの!昨日はどうしてあんな事…。」
「俺は瞭然を、殺さなければならない。」
「どうして?」
「あいつと一緒にいたら、燈は殺される。」
私が…?なぜ?私は瞭然の頼みで彼の恋人を助ける手助けをしているだけ…。
「奴は今どこにいる?」
「それは…。」
瞭然達は今この森の中へ水を探しに行っていると、テンテンに言ってもいいのか私には分からなかった。
「昨日の段階では奴は俺より魔力が上だった。だから奴の魔力に阻まれて追いかけて来れなかったが、今の俺なら勝てる…。」
そう言ったテンテンの腕には光の腕輪があった…。
「それって光の腕輪だよね?だ…誰の魔力を溜めているの?」
「アレリーって言う魔女だ。」
アレリー…リリーが言うにはあまり良い噂の無い人…。
「あんた…瞭然にやけに敵意があるみたいだけど、アレリーに何て言われたのさ?」
リリーがテンテンを睨みつけながら質問した。
「……そう言えばお前も昨日一緒にいたな…お前も瞭然の仲間なのか?」
そう言ったテンテンの目にも殺気が宿っていた。
「まっ、待って!!リリーは私の友達で私がテンテンに会いたいって言ったから、一緒にテンテンを探しててくれたんだよ。」
しばらくテンテンは一人で何か考えているようだった。
「まぁいい、魔法も使えない役立たずのようだしな。」
テンテンどうしたんだろう…なんだか性格が変わってしまったような気がする…。
「ーーーッんだと!!!舐めるなよ!!!」
イラついてしまったリリーはテンテンへ攻撃をしようとした。
「ちょと、リリー!!!」
しかしリリーは呆気なくなぎ倒されてしまい、テンテンは具現化した刃物をリリーの首元へ突き付けた。
「それで、お前は瞭然の居場所を知ってるのか?言っておくが、お前を殺す事など今更他愛も無い事だ。」
「テンテン…何を…?」
駄目だ…あの目は瞭然の居場所を言わなければ本当にテンテンはリリーを殺す気だ…。
そう感じた。
「テンテン待って、この先に瞭然達が水を探しに行っているの!!!」
テンテンの手は少し私の声に反応を示した。
「そうか…このまま殺してしまってもいいが、燈がお前を友達だと言ったから一応見逃してやる。次は無いからな。」
そう言ってテンテンは瞭然を探しに森の奥へ進んでしまった。
リリーが危なかったとは言えとっさに瞭然の居場所を言ってしまった…。瞭然を助けなければ。
きっとテンテンは何か勘違いをしているんだ。
でもリリーを庇いながらこの森を進むのは危険だ…。
「リリー…リリーはやっぱりここで待ってて。私はテンテンと話をしなくちゃいけない。」
「わかってるよ…少し休憩出来たから自分の身くらい自分で守るだけの体力は戻ってるよ…あかり、気を付けてね。」
「ごめんね、ありがとう。」
「なんであかりが謝るのさ。」
私はリリーを一人置いてデラドラルの森の中へ進む事にした。




