檻から見たマータル
しばらく外の様子に聞き耳を立てているとバサッと私を見張っていた人が倒れた。
びっくりして振り返ると何処かで見覚えのある人物が…大きな体の男の人がいた。
魔道街でリリーに紹介された…
「ゴ…ゴルディー?」
「やぁお嬢ちゃん?元気してたかい?」
「どおしてここに?」
「あたしがここの場所をゴルディーに知らせて助けてくれるよう頼んでたのさ。」
後ろからリリーがひょこっと顔を出した。
「もたもたしてる時間は無いよ、こっちにゴルディーが用意してくれた抜け穴がある。早く来て。」
リリーが私の腕を掴んで引っ張って行った。
「ジェラルドと瞭然は?」
「大丈夫、ゴルディーが助けてくれるよ。安心して、ゴルディーは魔法使いなんだ。」
部屋から出たすぐ近くに中身が何処かに繋がっているかの様なまあるいサークルがあった。
「飛び込んむよ。」
リリーはそう言って私の腕を掴んだままそのサークルに飛び込んだ。
中を通り抜けた先には、そこは背の高い植物が360度生えていて周りが何も見えなかった。
「これは…」
「ゴルディーの空間魔法だよ。
ゴルディーはね、あたしの唯一の盗賊仲間なんだ。ゴルディーがいなけりゃあたしは何の役にも立てないただの人間だよ。」
リリーが盗賊として生きてこれたのはゴルディーがいたからなのだろうか…。
そんな話をしているとサークルから3人ともが出てきた。
そして出てくるとすぐにゴルディーはサークルを消した。
「これで一先ずは大丈夫じゃろう。リリー早う手枷を外したらんか。このままじゃ魔法が使えん。」
この手枷はどうやら魔法を封じる為の物だったらしい。
「ああ、そうだったそうだった。」
そう言ったリリーの手枷は随分前から外れていたようだ、そして1人ずつの手枷を意図も簡単に外していった。
そう言えば桜水って人がいた扉の鍵もリリーが開けたんだった…。
「鍵を開けるのは得意なの?」
「あたしの特技だね。これくらいの手枷ならチョロいチョロい。魔法が使えないからこれくらいは出来ないとね。」
「ちょっと気に入らない事もあったけど、あんたのも外してやったよ。」
「………。」
瞭然とリリーの仲はあまりよろしく無いみたいだ。あまり拗れなけば良いのだけれど…。
「ありがとうリリーちゃん助かったよ。それにゴルディーさんも。早速で悪いんだけど、ここに長いするのはまずい。奴らは直ぐに俺達が逃げ出した事に気付くだろう。一時的にでも身を隠せる場所探さないと。」
「そうやのお、ここはマータルのど真ん中、周りは畑だらけじゃきに、少し進んだ所に古民家がある。先ずはそこへ行こうか。まあ付いてきぃや。」
ゴルディーがゆっくりと歩き出したので、私達もそれに続いた。




