檻から見たマータル
目を覚ますとそこは檻の中だった。
いつのまにか寝てしまっていたのだろうか。
「目を覚ましたか。」
檻の中にある小さな柵格子から外を覗いていたジェラルドが話しかけて来た。
他の2人は床に座っていた。
どうやら皆んな同じ場所へ入れられたらしい。
「うん、みんなはずっと起きていたの?」
「いや、俺達もどうやら眠らされて運ばれたみたいだ。みんなついさっき目を覚ましたばかりだよ。」
ふと壁を見ると壁一面に龍の力を封じ込める呪文が書かれていた。
瞭然がいるから当たり前か。
「ねぇ、龍ってどう言う事なのさ?」
リリーが少し怒り気味で質問をして来た。
「そもそもテンテンって奴はあんな所に何の用事があったわけ?罠だったんじゃないの?はめられたんだよアイツに」
捕まった事にイライラしているのかリリーの口調は荒かった。
「そんなわけ無いでしょ!!テンテンはそんな人じゃない!!リリーに何がわかるのよ!!」
私もついカッとなって言い返してしまった。
「あかり、あんた忘れてるでしょ?テンテンが誰と一緒に行動してたのか。」
「それは…。」
アレリー…確か人を操るのが得意な魔術師…
「操られてるならあたし達の敵だし、操られていないならいないでアレリーと行動を共にしてる時点でやっぱり敵なんだよ。」
私は何も言い返せないでいた。
言い返せない自分に腹もたった。
「まぁまぁ2人とも落ち着いて、今仲間割れするのはあまり良くないよ。」
確かに…ジェラルドの言う通りだけれども…。
「その前にあんたの本来の目的は何だったんだ?それを話せば俺も龍の事を話すよ。」
じっと黙っていた瞭然が口を開いた。
「な…何のことよ…。」
「俺は初めからあんたをあまり信用してない。なぜ燈に付きまとっていたんだ?」
「だから手伝ってくれたからだって…。」
「牢屋に入れられたくらいでこんなにイラついてる奴が、こんな割に合わない事をするとは到底思えないね。さっさと本当の事を言いなよ。」
瞭然の言葉にリリーは少し戸惑っている様だった。
いい人だと思っていたのにいい友達になれると思っていたのに…リリーに裏があるのならそれは少し辛い…。
「はぁ…しょうがないか。」
リリーは何か覚悟を決めたようだった。
「あたしはね、盗賊なんだよ。」
「盗賊?」
「そう、盗賊。それであたしはあるものをアレリーから盗む事に成功した。しかしね、盗んだ後しばらく身を潜めている時に何処かに落としてしまったんだよ、情けのない事にね。」
「何を盗んだんだ?」
「それはまだ言えない。あのアレリーから盗むくらいだよ相当重要なものだよ。」
「それを探していると?」
「そう。」
「何故燈なんだ?燈である必要は無いだろ。」
「大有りよ、神龍守の人間だからね。」
「どう言う事だ?」
「あたしの今話せる話はここまでよ、あたしはあんた達の敵ではないし、あかりに付いていく理由がわかったんだからもういいでしょ?
次はあんた達の番…龍について教えてよね。」
少し時間を置いた後瞭然はゆっくりとした口調で話し始めた。




