千年の恋
気付けば辺りはすっかりと暗くなって炎の街灯が辺りをゆらゆらと、ほんのりと明るく照らしていた。
そして私達がテンテンの残り香を追ってしばらく歩き続けた先にあったのは、一見誰も住んでいなさそうなボロボロの小屋だった。
「随分とボロッボロの家だね。あいつこんなとこに何しに来たんだろうね。」
リリーが少し不思議そうに小屋を眺めながら喋った。
「ここに…テンテンが…。」
いるのかどうかはまだわからないけど、ここへ一度来たことは間違いない。ここに居なくても何か次の手かがりがあれば…。
ジェラルドがドアをコンコンとノックして人を呼んだ。
「すみません。誰か居ませんかね?」
「ーーーーーー。」
中からは誰も居ないのか、何も返事が無い。
「開けるぞ。」
瞭然が扉を開けようとしたけど、鍵がかかっているようで、スムーズに開けれなかった。
しかし瞭然は構うことなく無理矢理扉を開けて壊してしまった。
「あらら、いいのかい?怒られちゃうよ。瞭然。」
ジェラルドが呆れたように言ったが、瞭然はそれを無視する様に中へ入って行った。
私達もそれに続いて中へと足を運んだ。
「これは…?」
そこにはどんな炎にも、どんな金属にも負けない、とても頑丈そうな扉だけがあった。
何処かへ続いているのだろうか。
「どうやら魔法がかかっていて、魔法や魔術で開けるのは不可能みたいだ。俺の魔法がことごとく弾かれている。」
ジェラルドが先に扉へ近づいていろいろと調らべた。
「瞭然の魔法で開けれない?」
ふと思った事を口にしてしまった。瞭然の魔法なら…龍の力ならと何となく思ってしまった。
「やってみよう。」
瞭然が扉に近付いて、ほんの少しだろうか、瞭然の手が触れた時、雷の衝撃の様な火花が飛び散った。
「瞭然!!」
私は急いで瞭然の元へ行き扉から瞭然の体を引き離した。
「瞭然、大丈夫?」
「ーーー。」
瞭然はぐったりとしていた。
「そんな…。」
「ちょっと失礼。」
ジェラルドが瞭然の体を触って何か確かめている。
「ーー大丈夫。気絶しているだけのようだ。少し手当をするよ。」
ジェラルドはそう言って瞭然の手当を始めた。
「よかった…。」
それにしてもあの扉、瞭然を気絶させるなんて…相当強い魔法が仕掛けてあるのだろうか…。
と、考えてるうちにリリーが扉へ触れようとしていた。
「ちょっとリリー!危ないっ!!」
「やっぱり…大丈夫だよ。」
「え?」
「ジェラルドが触れた時も何も無かった、それにあかりがさっき瞭然を助ける時にこの扉にすこし触れてたんだ、でも何も無かった。だからあたしもいけるんじゃ無いかって思ったわけ。」
「どうして…瞭然だけ…」
「何でだろうね。でもこの扉を開けたいならちょっと待ってて、あたしに開けれるかもしれない。得意分野なんだよね。」
そう言うとリリーは何処から取り出したのか、何やら細い棒のようなもので鍵穴を弄りだした。
それから十数分後カチンっと言う音と共に重厚感のある扉は開いた。
その奥には地下へと続く階段があった。
「よっしゃあ!」
嬉しそうなリリーの声が響いた。
「瞭然は?」
ジェラルドの方を見ると瞭然はまだ目を覚まさしていないようだった。
「この調子じゃまだしばらくは目を覚まさないだろう。瞭然は俺が担いで行くよ。」
瞭然はジェラルドに任せたままで私達は階段を降りて地下へと進んだ。
階段へ降りる途中、意味はわからないけど、無数の文字の様な物が壁一面に描かれていた。
思い出せないが、何処かで見たことがあるような気がした。




