千年の恋
「–––––––– 。ねぇリリー、血の契約書の事なんだけど…。」
あれから私たちは噴水広場へ向かうまでに少し気まずい沈黙が続いていたので、気になってた事を質問をした。
「その契約を結んだ片方が死んでしまった場合にはどうなるの?」
「その契約の内容がどちらかの契約者の命で無い限り、契約者が死ねばその契約は無効になるよ。」
「じゃあ仮に、AはBの命を守る事、Bは他の願い事にした場合、Bが自殺しようとしたらどうなるの?」
「さっきも言ったけど血の契約書は呪いだよ。契約は絶対だ。相手の契約を破棄する意志がある時点で、呪いが発動して己の契約書に書いた願いを壊さなければならない。つまりBが自殺するにはBの願い事を自らの手で壊してからになるよ。」
「そうなんだ…。行動に移す前の契約者の心がわかるなら相手に対する嘘は血の契約書の前では意味ない訳だね。あと1つ質問なんだけど、その契約の内容事態がそれぞれにとって実現不可能な内容ならどうなるの?」
「それは血の契約書が勝手に判断して、契約成立にはならないはずだよ。」
血の契約書か…やっぱり使い方によっては色々と相手を騙す事もできそうな物だよね。
「リリーはほんと物知りなんだね。」
「あたしは色々な所へ旅をするのが趣味だからね、あかりみたいに魔法が使えないかわりに情報収集には手を抜かないのさ。」
「ははは…それは…。」
このままじゃ龍の石を使ってしまった事がリリーにバレるのは時間の問題かもしれない。それは何としてでも避けなければダメなんだけど…。
そんな話をしているといつのまにか噴水広場までだどり付いていた。
「燈。」
いきなり後ろから声をかけられて、驚いて振り返るとそこには瞭然が、キリッとした男性と一緒に居た。
「瞭然…。どうしてここに?」
私は瞭然に宿を探せと言われていた事を思い出した。
「あ!宿の事だよね?そ、その色々あって…。」
私一人で屋根のある場所にゆっくりと泊まったなんてとても言えなかった。
「そんな事はどうでも良い。」
「え?」
「お前、誰のインセンスを出したんだ?」
「え…それは…」
「ちょっと待ってよ!あたしを置いて勝手に話を進める気?」
リリーか不服そうに話に割り込んできた。
「この彼があかりの言ってた瞭然って奴?」
私は小さく頷いた。
「へぇ、じゃああんたもあの村の人間なんだ。」
「燈。お前どこまでこいつに話したんだ?」
瞭然が冷たい目で睨みながら聞いてきた。
「え、それは…。」
私が回答に困っているとリリーがまた割り込んできた。
「丁度良かったよ。あたしもあんたに聞きたい事あんだ。」
「俺はあんたに用は何も無い。」
「なにぃ?」
何故かリリーと瞭然は喧嘩気味になっている。
「まぁまぁ、落ち着いて。」
瞭然の隣に居た男性が落ち着いた様子で二人を宥めた。
「こんな所で話をするのも何だし、俺の喫茶店へ行かないか?そこならゆっくり話ができる。
誰がどこで聞き耳を立ててるかわからないよ。」
「そうだね、あんた達やアレリーの件と言い、いつもと何か様子が違うのも事実だ。あんたを信用したわけじゃ無いけどそうする事にするよ。」
リリーもそれで納得しているようなので、私達は彼の喫茶店へ向かう事にした。




