魔法と龍
「残り香の光…もう消えちゃったね。」
「きっとアレリーがここからの追跡を恐れて痕跡を全て消したんだよ。」
「ところでさ、リリー…光の腕輪って、何?」
私は気になってた光の腕輪についてリリーに質問した。
「光の腕輪はその腕輪にある一定の魔力を貯めておく事が出来る道具だよ。自分が持っていれば魔力を使い過ぎて疲れた時に楽に使えるし、魔法を使えない奴に着けさせればいつでも魔法が使えるってわけ。」
「アレリーがわざわざそんな物買うのはテンテンに着けさせるためかな?」
「アレリー程の大魔術師ともなればその可能性は高いよね。でも1つ気になるのは光の腕輪はわざわざ少し離れたアンティークショップへ行かなくても他の店でも買えるってこと。」
「それは…あの店でしか買えない他の物を探してたって事?光の腕輪しか買ってないって言ってたから無かったのかな?」
「いや…あったはずだよ…僅かにインセンスが他の商品の場所で光ってたの気がつかなかった?」
「え…全然分からなかったよ」
「ったく、あかりは鈍感だね。」
リリーは少し呆れたように言った。
「確かにあれはインセンスによる光だったよ。それが光ってた場所は…『血の契約書』だった」
「血の契約書…?」
名前からして穏やかでは無い雰囲気に私は少し胸がざわついた。
「血の契約書はお互いに相手の利益となる事を達成するように契約するんだ。
例えば簡単に言うとAが花が欲しい。Bが米が欲しいとすると、AはBの為に米を、BはAの為に花を差し出すって感じにね。」
「なんだ、そんな物なんだ、名前に血が入ってたから恐ろしい物だと思ったよ。」
「違うよ、血の契約書の本領は契約が守れなかった時だよ。」
「守れなかったら、どうなるの?」
「さっきの例えで行くと、Aが米を用意しなかったあるいは用意出来なかった場合、Aは自分自信の望みである花を自ら破壊しなければならない。自害する事も途中でやめる事も出来ないよ。死ぬまで続く、呪いだからね」
「つまり、相手に無理矢理自分の願いを叶えさせる契約書って事?」
「まぁそんなところだね」
「それと、さっきの爺さん…血の契約書の事話さなかったけど…」
「忘れてたんじゃない?結構年齢の行ってそうなお爺さんだったし。」
「んー…それだといいんだけどね、とりあえずあても無くなってしまったし、もう一度公園へ戻ろうか。もしかしたらあかりがまた何か魔法を使ってくれるかもしれないし。」
「えっいや…さっきのは偶然っていうか、あははは…ここにいたら魔法の力を勝手に吸収しちゃったのかな〜」
全然上手く無い誤魔化し方が胡散臭さを増大させているのが自分でもわかった。
とりあえずリリーの言う通り一度噴水広場へ戻る事にした。




