魔法と龍(瞭然)
「レイフェレリーが……生きている……?」
『殺せ…見つけ次第…すぐに…お前にはそれだけの力を貸しているだろう…』
俺の中にいる零神は時々こうして俺だけに語りかけてくる。
(ああ…黙ってろ…俺もそのつもりだ。)
「これからこの場所は暗くなる。そして中心の広場でいつものようにレイフェレリーを祝ったあと、レイフェレリー本人が姿を現す…仮に姿を見たとしても落ち着けよ。決して攻撃はするなよ。街が混乱する。」
俺の怒りを感じ取ったのか、男は俺を宥めようとした。
一呼吸置いたあと、男は俺にゆっくりと話始めた。
「俺はこの街が好きでも嫌いでも、お前さんの敵でも味方でもない。…強いて言うなら爺さんの味方だ。しかし、その爺さんがお前さんをどうやら助けたいらしい。だから俺で良ければいつでも力になる。こう見えて爺さんからある程度話は聞いていたんだ。」
「あんたジェイマンさんとどんな関係なんだ?」
「俺は爺さんの子孫ってところかな?」
「子孫?」
「ああ、子孫さ。しかし爺さんは子孫より長生きする先祖。死なない者として気味悪がられた。だから何百年かくらい前からこの事は秘密にしてるんだ。」
そんな話をしていると辺りが急に暗くなった。
「あらあら、祭りが始まったみたいだね。お前さんその怒りを抑えきれないだろ?だからここから出るなよ。それに桜水って人を助けるならレイフェレリーを今殺すと2度と助け出せなくなるかもしれないぞ。」
「どういう意味だ?」
「爺さんが昔、レイフェレリーが死ねば呪いで、とあるものがこの世から消滅する。そんなような事を話してたような気がする。そのとあるものってのが、桜水と関係してなくもない…そう思わないか?」
確かにこの男の言う通りだ、ジェイマンが言ってたならほぼ間違いないだろう。
レイフェレリーは今は殺せないか…
『レイフェレリー今は殺せないとしてもいずれは殺す。それに今も奴が生きているならば、奴は壱乃神の血を確実に吸収している。早く見つけ出さないと手遅れになるぞ。』
そうだな、出来るだけ早いほうがいい。
とにかく今は一刻も早く火の村に行ってみるか。
「瞭然…だったか、お前さん火の村へ行きたいんだろ?」
「ああ。」
「あそこは魔術師だらけだ。いくら龍の力があるとしても簡単には入れない。」
「どうすれば入れるんだ?」
「簡単な事さ、俺を連れていけばいい。」
「あんたを連れてく?」
「こう見えて火の村の住人には顔が利くんだ。」
「あんた魔術師なのか?」
「そんなところ…かな。」
魔術師か…ジェイマンと同じだな。
「あんた、名前なんて言うの?」
「ああ、そっか、名乗ってなかったね。俺はジェラルド。で、どうする?俺を連れてくか?」
「ああ、しばらくは宜しく頼むよ。」
そんな話を終えるといつの間にか外は明るくなって既に終わっていた。
『燈は今…リリーと言う女の家向かっているようだが、あの女も連れていくのか?』
(そうか…今はまだいいだろう、その時がくれば役にたってもらうさ…。)




