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言い伝え
昔々の遥か昔、ある場所に2頭のとても仲の良い龍がおりました。
オスの龍が『零神』メスの龍が『壱乃神』と呼ばれ人々からとても慕われておりました。
零新は全てを吸い込むかの様な漆黒の色を、壱乃神は雪の様な汚れのない純白の色をしておりました。
2頭の仲の良い龍は不思議な力で人々を守っていました。
そんな龍を人々は神と崇め、親しみを込めてその町の名を『神龍守』と名付け暮らしておりました。
しかし、いつしか龍の力の噂は町の外まで広がり、その力を求める者達により2頭の龍はいつしか人々の前から姿を消したのでした。
2頭の龍が姿を消してから千年もの間、神龍守には不思議な力を持つ石が現れ、その石を持つ者は龍の力が使えるようになりました。
龍の様に何でも自由自在に操れはしないものの、いつしかそれ無しでは人々の生活はもはや欠かせない物となりその力を『龍術』と呼び、人々の暮らしは龍がいたときと変わらぬくらい豊かで穏やかになりました。