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青春物語、あるいはラブコメ。

前夜の電話

作者: 燈夜

書きたくなったから書く。うん、実に自然。今書いている長編ラブコメのスピンオフです(非なろう)。

 繰り返される着信音。眠い眼を擦りつつ、俺の目に入る表示された名前は彼女の名前。何をやっているんだあいつは。もう一時じゃないか。明日試合だぞ判っているのか!?


 それもなんだよこんな時間に。もしかして眠れないのか?


 俺はスマホをとる。出るなり、俺は彼女の名前を呼ぶ。


「……どうした。眠れないのか?」


 俺はバカかもしれない。聞くまでもない。明日は試合。いや、今日か。彼女にとって、いや、ある意味では俺にとっても一年前の雪辱を果たすときが来たのだから。


「なんだよ、図星かよ」


 目が爛々と冴えて眠れないとか何とか。得意の筋トレか柔軟体操でもしやがれこのバカ。そして疲れて早く寝ろ。


「え? 勝てるかって? 負ける気なのかお前?」


 判りきった事を聞くな。そんなときはイメージトレーニングだ。勝つ、いや勝ったイメージを百回でも二百回でも繰り返せ。でも、俺はそんな酷い事は口にしない。ただ一言、こう言ってやるだけで良い。


「信じてるよ俺は」


 俺はそして彼女の名前を付け足す。だってそうだろ? その言葉に嘘は無い。俺は彼女の明日の……いや、今日の試合での勝利を信じて居るのだから。と、いうか信じさせてくれ。俺もお前に夢を見ているんだよ。


「バカ。そんな弱気、らしくも無い」


 結局は慰め役か。まぁ良いけど。こうしてあいつに頼られる事、信じてもらえている事。俺は嫌いじゃない。


「勝つんだろ? 勝って見せろよ。いや、絶対勝て。……アイス奢ってやるから」


 ……なにが「よっしゃ」だ。笑わせるな、このバカ。


「良いから早く寝ろよ。本番に障るぞ?」


 そうそう。早く寝ろ。本番に備えろ。お前がチームを引っ張るんだ。そして見事に勝ち抜いて見せてくれ。


「判ったから寝ろ! え? な、なんだよいきなり」


 好きだと言われる。俺の事が好きだと。どうしていきなりここで告白だ!? どうしてこのタイミング!? とはいえ、試合前のメンタル面は重要……って、そう考えると俺も恥ずかしがっている場合じゃない。


「俺の気持ち、既に知ってると思ってたけどな」


 正直に言う。え? なんだって!? はっきりと言葉にしろ!?


「明日お前が勝ったなら、その時にはっきりと答えてやるよ」


 俺は賭けに出た。あいつのメンタルの安寧よりも、闘志に火をつけて。安心よりも、飢餓に飢えさせる。俺って案外酷いのかも。


「え? ケチ? うるせぇよ、良いから早く寝ろ。良いな!?」


 あ。不貞腐れた。でも、その声は結構可愛いかも。今の、録音しておけば良かった。


「え? いや、なんでもない。それじゃお休み」


 やっと寝る気になってくれたか。まぁ、これで一安心。もし寝れていなくても、朝に飢えた狼が一匹いるだけの事。


「ああ、お休みなさい……言わせるなよ。好きだよ?」


 はぁ、俺って甘いのかな。結局安心させちゃった。

この長編も手直ししてさっさと投稿しなきゃね。「兵は迅速を尊ぶ」と孫子も言っている。え? 郭嘉が言った? 孫子曰く「兵は拙速を聞くが、未だ巧久を睹ず」が正しいらしいですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  夜一時に電話がかかってくるシチュエーションを想像してしまいました。 [一言] 試合と恋愛を切り離せるともっと強くなれるのかもしれません。
2016/08/27 11:42 退会済み
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