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京都旅行(2)

【夫のターン】


 清水寺を出て、再び町を散策。やっぱり、歩くだけでテンションが上がる町並み。そして、それを感じているのは日本人だけじゃないみたいだ。


「ほら、里佳。あの外人めっちゃテンションあがってる」


 金髪の女の子。女子高生ぐらいだろうか……一人興奮気味に携帯で写真を撮りまくっている。


「やっぱり京都だよねー。どっかの誰かさんとはえらい違い」


 ジー。


「……古都と人間を比べるんじゃねぇよ」


 そんな風にツッコみつつ、


 適当に妻のほっぺをつねっていると、


「Hi!」


 少し高い女の子の声。振り返ると、さっき写真をテンション高くとっていた女の子が声をかけてきた。


「は……ハロー」


 で、いいんだろうか。


「HELLO! Nice To Meet You」


 あっ、よかったアメリカ人だ。


「ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ……?」


 めちゃめちゃマシンガントークしてきたー!


「ちょ、里佳。なんて言ってるんだ?」


 妻は英語が話せる。


 しかも、凄いレベルで。


 お義父さんとお義母さんには、なぜ英語なんかより一般常識と良識を叩きこまなかったのかとたまに思う。


「ええっとねぇ……『池田屋どこ?』 だって」


 短―――――――――い!


 ってか隠れ龍馬女子―――――!?


「ほ、本当に!?」


 めちゃめちゃ喋ってたけど。


「うん。まあ、意訳だけど」


 意訳が過ぎるだろ……ってか5文字って。


「ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ……GUTTI!」


 またしてもめちゃめちゃ、喋ってきたー!


「おい里佳! なんて言ってんだ!?」


 ってか、なんでこの子は俺たちに話しかけてきてんだ。


「ええっと……『京都の料理めっちゃうまいわー。湯葉とかごっつうまいわぁ』だって」


 変な関西弁――――!?


「本当か!? 本当にそんなフレンドリーかつ陽気な感じなのか?」


「意訳だけどね!」


「当り前だ! ってか、最後『GUTTI』って言ってたけど」


「ああ、それはグッチ雄三だよ!」


 言うか――――――!


「お前……もしかしてさっきから嘘ばっか言ってるんじゃ……」


「あっ……グッチ雄三だ……」


「やっぱ嘘か! お前いい加減に……」


              ・・・


 いた――――――――!



 


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