八月十六日 その1
小説を書くにあたってメンタルをやられました。こんなんじゃなにもできないなーとあきれつつ、更新だけはやめないように少しだけでも書いていきます。
うあ~。
昨日の優香の言葉を考えすぎてほとんど眠れなかった。
ねぼけまなこをこすりながら洗面所の鏡の前で民宿の歯ブラシに歯磨き粉をつけて歯を磨く。まだ優香は寝てるけど、起きたらどう会話していいか少し戸惑うところがあった。昨日の夜は色々ドキドキしたし楽しかったけれど、優香の冗談とも本気ともつかぬ発言に僕はあれでよかったのか。
カーテンを開けると朝日が眩しい。浴衣から普段着に着替えるとテレビをつけた。
二十分後、テレビには朝のニュースが連綿と続いている。優香のほうを見るとまだうつ伏せで寝ていた。布団からはみ出した浴衣からみえる脚の色気に、また昨日の出来事を想像してしまう。今考えても頭がふわふわしている。
「う~~~ん」
優香が目を覚ましたらしい。すぐに視線を優香の脚からテレビに戻した。そして優香の行動を心の目で観察した。
どうやら優香は洗面所に向かったらしい。テレビのチャンネルをニュース番組からバラエティ番組に変えて無理にでも雰囲気を変え気分転換を図る。
洗面所から戻ってきた優香に振りかえり、まずはあいさつだけでも。
「おはよう優香」「おはよう創太」
!? 挨拶のタイミングが同時になってなんか気まずい……。
「んー、今日もいい天気だねー」
「う、うん、そうだな」
「今何時?」
「七時二十分だよ。会場は九時からだからまだ間に合うよ」
「そっか」
優香に昨日の事を思いだすようにして僕は言った。
「優香、昨日はなんかごめん」
「男が小さいこと気にしないの。早く用意していくよー」
ほっ。とりあえず胸をなでおろすと同時に優香はもう気にしてないんだなと思うと少しさびしさが募る。
「なーに釈然としない顔してんのよ」
まるで優香に見透かされているように言葉をかけられる。
「この旅の目的を忘れたの―? 亜悠さんを全力で応援しに来たんでしょ! 朝からそんな顔をしてたら亜悠さんに申し訳ないよー! だからもう気にしないの―」
うん。そうだ。亜悠を応援しに来たんだ。このままじゃあ亜悠にも優香にも申し訳ない!
「そうだよな! 亜悠を全力で応援しなきゃな!」
「そう! そのとおりー!」
ようし! 勢いがついてきた! 昨日は昨日、今日は今日だ! 二人で腕を掲げると僕達は支度をした後、すぐさま亜悠のいる会場へと足を運んだ。
メンタル鍛えましょうか……(独り言)。