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極私的仏教考察その6    (密教の秘密修法)

作者: 舜風人




密教を完成させたのが、空海である。


インド密教のように、結局最後は民間性宗教(タントラ教)やらヒンドウ教やらと溶融して埋もれて

仏教の本義を喪失してしまい


印度の大地に消え去ったようには


空海はならなかった。


しっかりと仏教の地平にとどまりあくまでも仏教としての密教の完成形を


創造しえたのが空海であろう。いわゆる『純密』の世界にとどまりそれを集大成したのが空海です。


それは彼が志高く持ち、あくまでも衆生救済の本義を忘れずに


安易な、タントリズムに、ながれなかったという高い倫理観を持っていたからであろう。


それともう一つの理由は、8世紀から12世紀にかけてのインドでの終末期密教の

「性ヨーガ」系の無上瑜伽タントラ系の仏典が日本には当時、入ってこなかったという幸運?もあるでしょうね。

これらの性儀式を密教に大胆に取り入れて「解脱」を目指すというのは当時インドでは、仏教が衰退して絶滅寸前だったからです。つまりインドで大勢を占めていたヒンドウー教に対抗するために

インド伝統のシャクティ派の性力信仰と、性ヨガを取り入れて仏教の起死回生を図ったというわけですね。


まあでもそんなら、何も好んで仏教(密教)である必要はなく、カーリ女神や、シヴァ神を信仰してカーマスートラでも読んで、カジュラホ寺院でも礼拝してればいいわけですからね。

別に密教(仏教)でなくてかまわないわけです。私はこういうシャクティ宗教への歩み寄りは間違いであると思います。


つまり、結果としてあまりにも、ヒンドウ教にすり寄ったために?

最末期のインド仏教は仏教らしさをかなぐり捨てて、かえって自滅を速めたといえるでしょうね。

というわけで、、当時の心ある仏教徒の中には、

こういう、性儀式や呪術系の秘教に嫌気がさして?「大乗仏教」に回帰しようという動きも起こったといいますね。越えてはならない一戦があります。

それが性と宗教の境界線です。

般若経や法華経。華厳経などの大乗仏教は、性要素が皆無で。健康的?ですものね?

ですが時すでに遅し、イスラム教の侵攻や、ヒンドウ教の大攻勢でインドでは仏教は完全に自滅するのです。こうした最末期の密教、左道無上ヨガタントラの教えはチベット密教に引き継がれていきました。

そして独自の進化を経て今のチベット仏教になってるわけですね。各流派がありますが

今の主流派は、健全派?というものであり、そこでは性ヨガは禁止されていますね。

というかチベット密教が即、性宗教であるという誤解があるわけです。

無上瑜伽タントラの修行法のたくさんある選択肢の一つが性ヨガだということです。

まあ今ではこれは観想としてだけで、実践は禁止されています。




ところでこれらの最末期の仏教である、無上瑜伽タントラとは、、

性儀式を取り入れることで、

まあ、バジラヤーナ(金剛乗)を安易に、手っ取り早く一般大衆にサトラセル?ということでもあるわけですね。



要するに、

セックスでもって、釣れば?簡単ですものね?


或いはどこかの、カルト宗教のように、幻覚剤で一気に、ヴィジョンでも


金剛界でも幻視させてやれば、もうすぐ洗脳終了?ですものね?


だがそれはもちろん大きな落とし穴、、陥穽です。


破滅の淵に片足入れたようなモノであり、


そんなセックスやクスリでの、ヴィジョンなどは、


とても本当の真実の至高の、ヴァジラヤーナではないのです。


疑似ヴァジラヤーナということです。


では本当の金剛乗とはいかにして習得されるのか?


それは空海の「十住心論」に詳しく解き明かされています。


いかにして最高の境定に自己意識を高めるか。


10段階の意識変革が必要です。



詳しくは「十住心論」の原書をお読みください。


さて密教修行というとすぐ、荒行、、100日間山野を跋渉して真言マントラを唱えて


谷川の水を啜り、草根木皮を食べる?


というイメージではないですか?


雑蜜では、それもありですが


純密はもッと純粋な意識改革ですから瞑想法、印形、ムドラーだけでも充分習得できるのです。



その修法の完成は導師について一子相伝で会得するしかないのでしょうね。



さてそうして完成された位階に於いては


密教の秘法秘術が体得されるでしょう。



密教とは言うならば超能力開眼法でもあるからです。



その1


ムドラーによる霊縛法、いわゆる「九字を切る」、というやつですね。





その2、


マントラによる、調伏法。呪殺も理論的には可能です。





その3、


加持祈祷による、運気好転法。





その4


呪符(霊符)による鎮護法。





その5



密教占星術  占いですね。





その6


求聞持聡明法。才能開発法です。これであなたも神童に?なれる?






ざっと以上のような超能力が密教修行が完成すれば


あなたのモノになるのです。



と言って、欲得づくで、やろうたって、ダメですよ。


あくまでも「衆生救済」であり


無我無心の奉仕です。


金儲けしようと思って密教修行?


それは、できないのです。


そういう欲心が、少しでも心にあれば、


そもそも、金剛乗には、到底たどり着くはずもないからです。


万物皆そのままで即身、清浄なり、、との


清浄観が無ければ、、、修行もへったくれもありませんものね。


心澄まして


無我になり


「十住心論」を


忠実に実践すること、


具体的には


瞑想であり


阿字観であり


真言陀羅尼であり


加持祈祷であり


グルの引導であり


その根幹は



あなた自身の金剛界曼荼羅であり


胎蔵界曼荼羅です。

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