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矢鷹真という人間(前編)

コメディーなのにやたらと暗いです。

次回からはましになるはず!


後半大幅に文書を追加しました。

 俺の前世、矢鷹やたかまことって人間について話そうと思う。


 いきなりだが、俺は矢鷹夫妻の本当の子供ではなかった。


 いわゆる養子だ。


 俺の生まれた時の名前は、浅見あさみ真。


 実の両親は共に医療系の研究をする学者だ。


 とても優秀な人達だったけど、息子の俺にまで優秀さを求めてくるようなことはなかった。


 どちらかといえば、優秀でなくてもいいから元気にすくすく育ってくれってタイプ。


 それに二人とも頭はいいのに普段ユルくて、ニコニコしながら親バカ発言連発するような人逹だった。


 そんな愛情深い両親と過ごしていた日々は本当に毎日幸せで、俺は二人が大好きだった。


 だからあの日、俺は自分がこの世にたった一人にされてしまったという事実を、受け入れることができなかった。


 両親は土砂崩れに巻き込まれて死んだ。


 俺は奇跡的に生き残ったらしい。


 生き残ったことへの喜びは当然なかった。


 そしてまだ6歳だった俺は、大好きな両親を失った悲しみから自分を守るために殻に篭った。


 それからのことは当然よく覚えてない。


 でも両親に葬儀の時、親戚達が俺について相談していたのを少し覚えてる。


 それでも結局我に返った時には施設で暮らしていたということは、まぁこういうことなんだろう。


 両親はいい人達だったけど遺産がなかった。


 だから俺を引き取っても得はない。


 以上。


 うん、我ながらシンプルにまとめられた。


 内心で意味わからんことを自画自賛しつつもこの時、俺には親戚がとても汚く感じた。


 別に捨てられたことに腹をたてた訳じゃない。


 それも少しはあるかもしれないが、なによりも血の繋がりがあるにも関わらず親戚達が両親の死んだあと、一番に考えたことは金のことだったというのが許せない。


 確かあの時いた親戚の中には、よく家に遊びに来ていたおばさんもいた。


(普段どれだけ親しげにしていても、所詮情より金なんだ・・・)


 そう考えたら、俺の目には周りの人間が皆敵に見えてきて、信じられなくなった。


(信じちゃ駄目だ。寄ってきても俺に価値がないって知ったら離れて行くんだから・・・)


それからは、そんな自己暗示をかけながら施設での毎日を過ごした。


当然こんな俺と友達になろうとするヤツはいないし、施設のスタッフ達だって頑なに拒絶を続けて一人になろうとする俺をもて余していた。


そんな荒んだ気持ちのまま一年が経ち、俺は人の裏を読むことが癖になっていた。


施設でも完全に孤立していたが、完全に人嫌いになってしまっていた俺はその方が気が楽で助かった。


そんな時だった。


正広さんと奥さんの美那みなさんが俺の前にあらわれたのは。

読んでくださり、ありがとうございました<(_ _*)>

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