BW.3―悲劇―
《僕等だけの黒異世界》を楽しみにして頂いていた読者様、長らくお待たせしてしまい大変申し訳ございません。
それでは、お楽しみ下さい。(^ ^)
僕等が黒の世界に来てから数日後・・・
僕達は、この世界で一番高い建物から、住宅街にある長屋へと移動した。
僕の部屋は、真ん中の部屋を正面にし、玄関側から見て内から2番目の部屋で、皆が集まる部屋の隣で、ルームメイト?のような人は茜さんだ。
そして、次の日の朝・・・目を覚ますと視界には、見慣れない天井が広がっていて、起き上がっても僕は暫く正面の壁を見続けた。
「まるで、あの時みたいだなぁ・・・。」そう思いながら、支度をした。
僕は、隣の部屋から聞こえてくる賑やかな声に耳を傾け、枕元に目をやった。
そして、枕元に置いてあった歯ブラシと、水を張っている桶で歯磨きを・・・身支度を終わらせた。
支度がすべて終わると、少し重くて固い扉を開け、僕は小さな声で『行って来ます。』と言い部屋を出た。
僕は数歩歩くと、すぐに着く距離にある皆が集まる少し広い1室へと足を進めた。
僕は、緊張しながら一息ついて重たい扉を開け、部屋に入ると同時に挨拶をした。
『おはようございます。』
すると、皆『おはよう』と言ってくれた。
僕は、幼い頃に両親を亡くしており、朝起きた時
『おはよう』何て言ってくれる人は、この世には既に居らず、久しぶりにその単純な言葉の温かさに僕は、包まれたかのように・・・心臓締めつけられるように嬉しくて、涙が零れた。
優しい人だらけのこの世界を、僕は徐々に好きになっていった。
僕のたった1つの居場所・・・。大好きな皆・・・。
しかし・・・さっきまで、そこに有った僕の大切なモノは、呆気無く崩れ落ちた。
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ある朝、僕が目を覚ますと・・・茄雲、陸桜さん、月夜さん、花月さんがいなかった。
僕は、もの凄く嫌な予感がした。
その時、一番近くにいた日向さんに5人は何処に行ったのかと聞くと、日向さんはニコッと優しく笑い『大丈夫。4人は食料調達に行ったよ。そんなに遠くないから、もう直ぐ戻ってくるはずだよ。』と答えた。
僕が、ほっと肩をおろした時、少し離れた所にある、森の方から〔ドッカーーーーン!!!!〕と、もの凄い爆音が聞こえた。
茜さんの話を思い出して、僕と妃琶と夜柄は驚きと恐怖が隠せず、顔を真っ青にして小刻みに震えだした。
それに気付き、茜さんは僕らに近づいてきて、そっと手を握り『大丈夫・・・。大丈夫だ・・・。俺がお前達を守るから・・・。』と優しくつぶやいた。
僕達は、いつの間にか震えが止まっていた。
すると、茜さんは何かを悟ったように、僕達以外に指示をし始めた。
暫くして、篠慧さん達が外に出て行った後、茜さんが僕達に一言言い残して走って外に出て行った。
『麗と紅葉の言う事をよく聞くんだぞ?
後・・・絶対1人で行動しないことだ・・・わかったな?!』
僕だけかはわからないけれど、背筋がひんやりと冷たく感じた。
僕は、黒の世界の人達が、死んでしまうんじゃないかと思うと怖くなってしまった。
しかし、周りの人は僕が、震えている理由が分からないらしく、心配そうに僕の顔をのぞき込んできた。
すると、いきなり今までずっと黙っていた、黒瀬さんが叫んだ。
『逃げろっ!!!!』
『えっ?!』
黒瀬さんは僕等を外に追い出した。
わけがわからない中、わかった事と言えば、僕らが外に出たと同時に、僕らが泊まっていた長屋が崩れた、と言う事だけどった。
砂埃舞う中、何かに押し潰されてうつ伏せになっている人影が見えた。
僕は、よーく目を凝らして見ると、黒瀬さんが長屋の下敷きになっていた。
それに気づいたのか、紅葉さんが急いで駆け寄った。
『おい!麗!!しっかりしろ!!死ぬなぁっ!!』
紅葉さんは、涙をポロポロと流しながら、何回も何回も・・・黒瀬さんの名前を呼んでは、黒瀬さんの身体をユサユサと強く揺すっていた。
その姿を見た僕等は、足が動かなくなった。
『うっ・・・あ・・・くろ・・・黒瀬・・・さんっ・・・。』
僕は自然と涙が零れ、それと同時にどうしようもないような。怒りがこみ上げてきた。
僕の奇怪な色の瞳は、鈍くも強い光を宿していた。
『・・・?!お・・・おい・・・っ!!奏っ?!お前・・・目がっ・・・。』
妃琶の明らかに恐怖で震えきった声は、僕には届かなかった。
怒り狂った奏は、この世で禍々しく・・・そして、茜さん同様宝石のような美しく神秘的な瞳だった。
僕は、心の中で自分の奇怪な色の瞳に誓った。
"僕は、もう何も失いたくない・・・。だから、僕はこの糞みたいな世界と戦うよ"
半年間3話の掲載を怠っていた事、深く謝罪申し上げます。
しかし、こうして掲載出来たことを嬉しく思います。
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