BW.2―彼等と僕等―
『来たって・・・どう言う事ですか?』
男はサラッと、とんでもない事を言った。
『ん〜・・・まぁ簡潔に〜、低脳なお前達にもわかり易く言うと、ここにいる奴等全員伯瑛学園で【鬼を作る遊びをして、異世界に迷い込んだ住人がいる場所。だから俺等は、この世界を黒の世界と呼んでいるんだ。これなら、わかったか?』
僕達は、驚いて叫んでしまった。
『みんな?!?!?!』
『あ〜・・・そうだよ。(うるさい・・・)』
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男は僕等をある所へと連れて行った。
そこは、テレビドラマとかでよく見る江戸時代の街並み(長屋)と、現代日本の廃ビルや廃墟が合わさったかのような所だった。
僕には、その風景が気味が悪くて、男に問い質した。
『あのっ、ここは何処なんですか?・・・』
そう言うと男は。
『ここは、黒の世界の住人が住む町だ。つってもわかんねぇだろうし。百聞は一見に如かずだな。みんな連れてくるからそっから、1歩たりとも動かずに待ってろ。』
そう言い残すと、男はこの街で一番高いであろう建物に走って行った。
「遅いな・・・」と皆で呟きながら男は20分ぐらい経った頃、男は8人ぐらい連れて戻ってきた。
男は、1人ずつ紹介すると言い、紹介し始めた。
『えっと・・・じゃあ女から、月夜 美空。花咲 小春。陸桜 杏。次、男で・・・秋月 紅葉。向日 葵黒瀬 麗。篠慧 色斗。花月 虎こいつ等全員同時期に来たわけじねーけど、見た目だけは14~18の代だ。』
複数・・・聞き覚えのある名前が挙げられた事に、気が付いた。
ソレは、秋月 椛から宛てられた手紙にあった名前だ・・・。篠慧・・・黒瀬・・・花月・・・、それに秋月?!
僕は、秋月と言う名字に疑問を持ち、秋月 紅葉と言う人物に「どういう事か」と尋ねた。
すると、紅葉は言った。
『椛は・・・秋月 椛は、俺の妹だよ。』
では、何故椛は紅葉の事を手紙に書かなかったのか・・・そう尋ねると、紅葉は一息ついて一言だけ『さぁ・・・?』と言った。
すると、僕等を案内してきた男は僕等の名前を尋ねてきた。
『あっえっと・・・まず僕は、狗神 奏です。そしたら、右から紹介していきますね。咲田 松雪。妃琶 冬。夜柄 桜。茄雲 忍全員男です。』
僕は、一緒に来た仲間を紹介し終わった後、黒の世界の人たちの、紹介をしてくれた彼の名前を知らない事に気付いた。
僕は「どうしようか」と考えていたら、妃琶も同じ事を考えていたらしく、先に妃琶の口が開いた。
すると男は、面倒くさそうに・・・でも、どこか面白そうにニヤリとし、自分の名前を告げた。
『俺は、白倖 茜。一応、一番長くここに居るが・・・茜チャン、何て呼んだらぶっ殺す♥』
《あ・・・茜さんって、怖い人だ・・・!!》僕等は、背筋がゾッとして、身体中に鳥肌がたった。
すると、さっきのメンバー紹介の事だろう。
『全員男だって事ぐらい、見りゃあわかるぞ。』と茜さんは言った。
茜さんは結構怖い・・・だけど綺麗だ。
ソレハ、アメジストの様な瞳に、髪は赤と青の長髪で肌は雪のように白く、日本人らしい名前とは、真逆の外見を持つ美しい人だった。
後々考えると、茜さんは《人間》だったのか・・・。
話を戻そう。
そして、少し脅えて黙り込んだ僕等に、茜さんは
『お前等、この世界の事少しは知っているのか?』
と尋ねた。
当然、僕等が知っている訳がない。
知らないのに、知っていると言う訳にもいかず、正直に言葉を詰まらせながら『しっ・・・知らないです。』と言うと、茜さんと黒の世界の人達は、心配そうな目をして僕等を見て、耳打ちで話し始めた。
その中で茜さんは、腕を組んで難しい顔で考え事をし始めた。
何が何の事だか、わならない僕等からしてみれば、耳打ちとは、気分が悪いったら無い。
そして、僕等は思った事をそのまま・・・『何の話をしているのか』と聞いた。
すると茜さんは、何処か辛そうに数分前までの、優雅な立ち振る舞いとは別のものだった。
そして、茜さんはゆっくり口を開いた。
話の内容は、黒の世界事だったらしい・・・
茜さんの話によると、黒の世界には、1~20の街がある。
しかし、そのうち1~5番目の街までが、終わってしまったと言うのだ。
しかも、終わった理由は"空襲"・・・それも"何者かによる"・・・だ。
"何者かによる"?意味が分からない。
そんなの、信じられるわけが無いんだ。
茜さんは最後に、子供が泣きじゃくる様に泣きなが言った。
『アイツ等の、空襲が俺達を襲う時・・・必ず聞こえてくる劈く悲鳴をもう、聞きたくない・・・。
今迄、助けられなかった生命の代わりとはいかいけど、お前達は俺に守らせてくれ・・・。
いや・・・守らせて下さいッ!』
そう言った茜さんの泣き顔は、綺麗すぎて指先で触れるだけで消えてしまいそうだった。
今までの、気が強そうな面影はその時・・・一瞬だけ失われていた。
BW.2の投稿・編集全て投稿しました!!
柊の私情をはさみ、投稿に影響することになってしまいました。
数少ない、読者様だからこそ、もっと大事にしなきゃと思いつつも、やっぱり人生思い通りにいきませんね…(。•́ωก̀。)…グス
後編もすぐに、更新致します(*´˘`*)
コメント等をしていただける度に、ワクワクしながら読ませて頂いてます。
これからも、柊 白兎と《僕等だけの黒異世界》を宜しくお願い致します。m(_ _)m