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LOST EYE  作者: くろろのーむ
1章 茨の世界
3/6

古の森、森を守る里2

 数時間前のことである。

 ジンノ達が、この里にたどり着いた時、里の男、与作、藻助と言う男が森の警備に当たっていた。

 森のはよそ者、森からの嫌われ者が入ると、空気の流れ変わる不思議な構造になっている。

 警備をする者はよそ者を森の外に出すよう定めも受けている。

 与作と藻助はいつものように3人組の行動監視する。

 危険か安全かは各自の担当になったもの判断に委ねられる。

 しかし、あの髪の長い女はわけが違っていた。

 見てくれは、そこらにいるようなか弱そうな年頃の女に見えるが目だけが獲物だけを捕えるように、その場にいることもその視線から身動きが取れないぐらいになる。

 与作の一瞬の気の緩みが生じたせいか、足元にある。

 木枝を踏みつけてしまい、尾行してることが悟られてしまう。



「おい、この先は、何もない。出口を探してるなら俺達があん……」


 髪の長い女は刀を抜いたように見えたが、血を流しながら倒れる藻助の姿だけが、与作の目に焼き付く。

 恐怖のあまり、与作はどこをどう逃げたのかわからなく長老の家に辿りついていたのだった。


                         †



 事態を理解した老人は人を集める。収集されたのは村の者たちで驚くほどの村人が老人の元に集まる。 

 ジンノ達がこの村に入るまでは数人しかいなかったもののどこから集まったのかわからないほどである。


「長老、俺達は……」


「なんとしも、わしの村も森も守らなくていけないのじゃ」



 全員の掛声ともに村の人達の熱気が伝わる。


                           †


 刀にしみついた血を拭い落とすように軍服の女は兵士の襟で。


「動かないでくださいね、手元が狂うとお前の身体もスパッと切れますわ」


 血の付いた刀が襟に当てると勢いよく、引き上げる。


 『ひえぇ――』と声とともに兵士の男は腰を抜かすよ蹲る。


 首元の10cm近くを血の付いた刀が通る感覚はあまり、気持のいいものではない。

 鉢巻の男は手なれたように。


「霧姫隊長、そいつはまだ新米なので勘弁してあげてくださいよ」



「あら、ごめんなさい。ちょっとした遊びでしたのに―― 」



 冷徹な目の奥には潜むなにか押し殺して、恐怖でもあるように。


 震えが自分の意識とは関係なく、止まらなくなった新米の軍服はやがて塞ぎこむ。


「おい、大丈夫か 新米?!」


「俺は……だ……めだ……俺は……」


 カタカタと呪文のように新米の軍服は繰り返す。


「ちぃ、こいつもいっちまったか……おいおい……霧姫隊長、どうしちまったんだよ」


 大きな岩が目印であるようにところで、眼光の鋭いもさどもは霧姫を取り囲むように集まる。


 鋼の筋肉持つモヒカンの特徴的な男、ガリガリでひょろひょろ軽く握手をしても骨ごと折れそうな男、細くてすらりと高く、

 短剣を自由自在に遊ぶ男、幼子でありながら体格に合わせた作られたであろう二刀特徴的な少女、最後に遅れてたどり着く鉢巻の男。


「ライアも着たようですわね」


 鋼の筋肉持つ男は「あの新人リタイアしたか……」


「わたち達とはちがって霧ちゃんからの洗練に耐えられなかったもの」と二刀の少女はつぶやく。



 二人の会話に目もくれず、霧姫は荒くれ者達に支持をする。



「ライア、グラリス、ヘルム、リッタ、ブル、私達の狩りを始めますわ」


                        †  



 片からは大量に出血をするもの、命には別状にないなく、血と汗を拭きとるとしばらくの横に寝かせた。


 男は気が付くように目を覚ますと。


「長老……」


「無理をするでない、今はゆっくり休むのじゃ、代わりの者が確かめに行っておる」


「――やつらは、人間じゃない、化け物だ! 俺の代わりに行ったもの連れ戻さないと……うぅ」


「いったい、何があったのじゃ?」


「それより……助けに……」



                       †




「あいつも、どこで、あんな血まみれに……」



「霧ちゃん。わたちが、左の子をもらうよ」


 ナイフを、くるんくるんと、高くあげると男は、持っていたナイフを、獲物を仕留めてるよに手でさばいて投げる。  

 ヘルムの後方からナイフが目の横を通過して男の額に命中する。

 もう一つのナイフは相手の致命を避けたものもう一人の男の肩をえぐるように突き刺さる。 

 一人は即死、もう一人は肩に重症と形になる。

 ヘルムは、抗議するように罵声を飛ばす。


「ちょっと、リッタくん、わたちの久々の獲物を捕るなんて――」


「すまない、拙者の手元が狂っただけだ。お主の獲物はもう一人いるではないか?」


 持ったナイフで、左を指してから、右に転がる男を指す。


 片の傷みを押さえながら、男は這いつくばるように進む、重い足音が男のゆっくりと近づく、芋虫用に必死にくねくねと前進する。

 もう後のない恐怖と焦りばかりが先立ち、左型を押さえてた手を地面に勢いよバネのように地面から身体を起こすと縺れそうになる足を必死に動かして、ひたすら動かす。


「グラリスくん。早く捕まえないと、逃げちゃうよ」


 必死で逃げる男の方が速く、グラリスの巨漢でもある身体の重さでは追いつけそうになかった。


「拙者が、力を貸すか……」


 ナイフを親指挟み、深く後方へ手を伸ばす。霧姫がリッタの前に手を出して止める。


「リッタ、ここグラリスに任せてましょう。いい余興になりそうですわ」


 狂気に狂う霧姫の眼は、さらなる恐怖へと導くようだった。


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