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契約

夕焼けに染まる町を歩きながら聞いた。

「紫穂さんは最初どんなところに行きたい?」

紫穂は顎に手を当てて悩みながら言った。

「う~ん……まず本屋さんを見てみたいな」

「了解。本屋さんね」

現在地から本屋さんまでは大体5分位の距離だった。

本屋に向かっている最中に黒いスーツ姿の人たちが忙しく動いているのを見かけた。

あんな人たちがなんでこんなところに居るんだ?

この町は大きくはなくどちらかというと田舎に近いほうなので見慣れない人がいると大体分かる。

格好は黒のスーツに身を包んでおり髪は長く遠くからなので顔がはっきり見えなかった。

「ねえ勝二くん?」

紫穂の声で俺は紫穂の事を思い出した。

「ああ、ごめんごめん。それじゃあ道案内を再開するよ」

俺が再び歩き出すと紫穂は黒スーツの男達を見ると何かをつぶやいて俺の後をついてきた。

   ▼   ▼   ▼

「ここが本屋さんだよ」

黙って歩くこと数分ようやく目的地に着いた。

「へぇ……ここがこの町の本屋さんなのね……」

なぜか紫穂は緊張ぶった口調で言う。

ここの本屋さんは結構昔からやっているらしく物は最新の物から年季の入った本まで置いてある。

「それじゃあ入ってみましょう」

紫穂が先人を切って入っていくのに続いて俺も中に入る。

「いらっしゃい」

レジからおじいさんの声が聞こえた。

「これは……見慣れないお嬢さんだね」

その言葉に一瞬ドキッとする。

「あ、ああさっき都会から遊びに来た友達だよ。この町が初めてだから案内してるんだよ」

するとおじいさんは「ほう……」といって目を離した。

「それにしてもここは色々な本が置いてあるのね。どれが目的のものか分からないわ」

「紫穂さんは何の本を探してる?良ければ一緒に探すよ」

すると苦笑しながら言った。

「ごめん。その探し物は人には言えないんだ」

人には言えない探し物?

すると不意に外から声が聞こえた。

「おっと!こんな所に居たのか!こりゃあ儲けもんだぜ!」

声の主はさっきの黒スーツの男だった。

「……!!」

紫穂はずいぶんと驚いた顔をしている。

「さあ譲ちゃん一緒に来てもらおうか!」

男は紫穂の腕を掴み無理やり連れて行こうとした。

だが、それはあまりにも唐突なことだった。

上から光の剣が落ちてきて男の腕を真っ二つに切り裂いた。

「……え!?」

剣は地面に刺さると消えていった。

「い、今何が……」

俺は息を呑んだ。

「なんてこった……俺の腕がこうも簡単に切られるとはな……」

男は唐突に笑い出した。

それは恐怖を感じさせないむしろ楽しんでるかの様な笑いだった。

「こいつ……狂ってる……」

「おい!ガキ!俺は狂ってなんかいねぇぞ!」

怒鳴られた。

「それにしても良く私の攻撃を避けられたものね……たいした集中力をお持ちで」

「これはお褒めの言葉真に嬉しい限りです」

男は笑いながら礼を言った。

「ここじゃ何だから外に出ましょう」

そう言って本屋を出て近くの工事現場へと移動する。

「それじゃあ始めましょう。次は確実に仕留めます!」

紫穂が手を天に掲げると軽く10本はあるであろう光の剣が現れた。

指を相手に向けると剣は相手目掛けて高速で飛んでいった。

しかし、剣は相手に刺さることなくすべて消えていった。

「いいね、いいね~。こんなのは久しぶりだよ~」

男は一瞬で紫穂との間合いを詰めみぞおちに重い一撃。

「……っ!」

紫穂は間一髪で防いでいた。

しかしかなり重い一撃だったらしく手が上がっていなかった。

「どうしたんだいお譲ちゃん?やっぱり所詮は平凡な女の子なのか?」

男は腹を抱えて笑っている。

お、俺は……ただ紫穂さんがやられるのを見ているだけなのか……!?俺は所詮何も出来ない奴なのか?いや違うだろ!

「おい!紫穂さんは限界だ!だから俺が相手してやる!」

自分でも馬鹿なことを言ったと思う。

だがこれで間違っていないはずだ。

「へぇ……そいつはいい度胸だ。そいつは褒めてやろう。だがな世の中には無謀って言葉があるんだよ!」

男はこちら目掛けて猛スピードで走ってくる。

とっさに身構える。

そうして男は腹部目掛けて蹴りを放ってくる。

やはり男の攻撃は人間の限界を超えていた。

蹴りを防いだ腕は複雑骨折は軽くいったであろう。

「これは……やっぱり俺じゃ無理だったのか……あぁ、こいつに勝てるほどの力が欲しい……力が……」

『力が必要なら俺と契約すればいい』

え?今頭に何か聞こえた。

『お前は力が欲しいんだろ。なら俺と契約しろ。そうすれば絶大な力を得られる……』

「お?もう終わりなのか?やっぱりただの凡人はすぐくたばるから面白くないんだよな~……それじゃあさようなら」

男が足を大きく振りかぶり頭に踵落しを放つ。

それが当たり地面に倒れる。

「い、いやあああああああああああ!」

紫穂が悲鳴を上げる。

しかし俺は立ち上がった。

「……!?」

男は目を丸くして驚いている。

踵落しを喰らっても立ち上がったことではなく、俺の変化に驚いていた。

俺の変化。そうそれは小さい角が生えており、目が燃えているかのように赤く鋭くなっていたこと、それと殺気に満ち溢れていたことだった。

その見た目はまるで死神のようだった。

「こいつ!まさか契約をしたのか!?なら仕方ないこちらも全力で行くしかないな!」

男は回転蹴りを出してきた。

しかしそれはあっけなく受け止められ、投げ飛ばされる。

「……」

俺は無言のまま手を横へ突き出す。

すると禍々しい形をした巨大な鎌が現れた。

そうして目の前を鎌で裂く。

もちろん前に男はいない。

しかしまるで時空を切るかのように裂け目が出来てそこから無数の黒い腕が出てきた。

腕は男のほうに一直線に伸びていき男を掴む。

「や、やめろ!」

男は足掻いたがそれもむなしく男は腕に引っ張られ裂け目の中に引きずり込まれ裂け目は閉じた。

それと同時に俺の変化と鎌が消えた。

「な、何が起きたの?」

紫穂が恐怖に怯えた目で俺を見つめていた……


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