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森河知景の非日常

私立鳳雷学園。

ここは、小中高一貫のエリート校である。

<表向きは。>


本当の姿は、魔鳳を使い魔に<宿す>魔鳳使いを育てる育成施設である。


図らずも、その学園の中等部2-Aに在籍中のわたくし、森河知景(もりかわちかげ)は、只今教室で絶賛行われているであろう<魔鳳召喚の儀>をサボリ中である。


本来この学園の<魔鳳召喚の儀>は、中等部で2年に進級すると行われる。一人につき魔鳳は、一体ずつ召喚され、魔鳳にもレベル分けが施されている。レベル分けは、このようになっている。


レベル1は、10~15cm程度の大きさで、魔力は、微々たるもの。

レベル2は、16~30cmくらいの大きさで、魔力は、小さい。

レベル3は、31~45cmくらいの大きさで、魔力で飛べるようになる。

レベル4は、46~60cmくらいの大きさで、魔力で小規模攻撃、防御、補助魔法使用可能。

レベル5は、61~75cmくらいの大きさで、魔力で近距離攻撃、防御、補助魔法使用可能。

レベル6は、76~90cmくらいの大きさで、魔力で遠距離攻撃、防御、補助魔法使用可能。

レベル7は、91~100cmくらいの大きさで、魔力でレベル1~6までのコトと、人型になれる、影に潜めるようになる。




大体の基本的な魔鳳は、中等部の2年に進級した際にレベル1~3までの魔鳳を召喚し、進級もしくは、試験で好成績を取ると、レベルが上がっていく。


だが私は、<特別>だった−−−−。


そんな事を思いながら、普通なら3時限目の途中の時間帯に、床を蹴るように学園の8階廊下を歩いていた。


まさにその時、この学園特有の真っ黒の制服のポケットの中で携帯電話の呼び出し音が鳴っているのに気付いた。

携帯電話を手に取り、開くと、


真っ先に<理事会>という文字が書いてあった。

そのまま、携帯電話の応答ボタンをすぐさま押して、耳元に音声が聴こえるように、ケータイを寄せた。


『もしもし〜。佐伯ですけど、知景ちゃんの携帯で間違いないです〜?』


という、この学園に12人いる理事の一人の佐伯莉子(さえきりこ)というたった7歳の女の子のお気楽な声がした。


「莉子さんですか。はい、森河です。そちらで、何か有りましたか?」


『<仕事>なんです〜☆西の裏門にて、暴走中だから、止めてきて欲しいんです〜☆知景ちゃん、今、大丈夫です〜??』


と最初に聞くべきであろう、相手の都合の良し悪しを最後に聞いてきた若き少女理事さまに対して、


「はい、大丈夫です。今8階の渡り廊下を歩いてるので、10秒で仕事を完了させられると思います。では、仕事があるので、電話を切らせて戴きますよ。」


『はいはーい☆知景ちゃんまたねー☆』


「また、後ほど。」


相変わらずの態度の佐伯理事に、微笑しながら、笑顔で"プツッ"と電話を切り、ポケットにしまった。


そして、8階の渡り廊下の右側の教室側とは逆の左側の窓を全開にしたあと、自分の影からひょっこり出てきた<自分の魔鳳>に、遠距離攻撃魔法の施行を命令すると、人型になっている知景の<レベル7の魔鳳>の掌から、電撃で出来た輪が出現し、現在地から見晴らしのいい西の裏門に向かって……、飛んでいった。


正しくは、西の裏門にいる暴走魔鳳に向かって飛んでいき、暴走魔鳳は、電撃の輪に触れ、ショックで気絶した。


それを確認した知景は、魔鳳を影に再び潜ませて、携帯電話を再び開き、


[宛名:佐伯莉子]

[件名:仕事内容と結果報告]

[本文:今回は、レベル2の魔鳳の暴走事故でした。魔鳳は、レベル5まで暴走進化してましたが、生徒たちは大事に至らず、損傷は、4階の渡り廊下の窓を2枚。初等部4-Cと同じく4-Dの教室前の窓ガラスです。授業中で申し訳ありませんが、補助魔法で修理をお願いします。]


メール内容を確認してから、送信した。

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