小川 南②
本日2回目の投稿です。
運命。これこそ運命だ。
最悪のナンパから、大木さんに一歩踏み込めた。
演技じゃない、本当に怖かったし、一人になるのが辛かった。
でも、そのお陰で近付けたし、連絡先も手に入れた。
これで、偶然じゃなくても会えるようになった。
お礼とお詫びってことで、ご飯を作りに行く約束を取り付けた。
うまくいったら、胃袋つかめるかも。
私が男の人を好きになるなんて、きっと二度とないから。
大木さん……ううん、圭介さん。
心の中では、圭介さんと呼ぼう。ちゃんと呼ぶのは、付き合えてから。
何回かうちでご飯を食べてもらってるうちに、ごちそうしてもらえることになった。
「こうして誘っていただけたってことは、期待してもいいんですよね?」
「あ、いや、そういうわけじゃなくて、君にはいつも美味しいごはんを作ってもらってるし、たまにはお礼をということでね」
「私が食べてほしくて作ってるだけですから、お礼なんて。
第一、あの時助けていただいたお礼で始めたことですし。
それより、そろそろ『南』って呼んでくださいよ。
私は、お付き合いできるようになったら『圭介さん』と呼ぶつもりで楽しみにとっておいてるんですけど、大木さんもそんな感じです?」
「そんなわけない……って、そんな理由で?」
「私にとっては大事なケジメですから」
1か月くらいして、ようやく「南さん」って呼んでくれるようになった。
一歩ずつでいい。
何年かかったっていい。
圭介さんの傍にいたい。




