腰痛には湿布薬ですね 5
お気に入り登録、評価などありがとうございます!
「ほー、シップヤク、というのか」
わたしはその場に跪いたまま、カチンコチンに固まって、呑気な顔で会話をしている国王陛下とフリードリヒ様を見つめていた。
立っていいと言われたけど、とてもじゃないけどそんな勇気はない。
というか、膝が震えて立とうと思っても立てないかもしれない。
だというのに、フリードリヒ様は何故か国王陛下に湿布薬の使い方をレクチャーしていた。何故に⁉ というかわたし、必要⁉
「これがあれば、兄上の慢性的な腰痛も改善するのではないですか?」
……へー、国王陛下、腰痛持ちだったんだ~。
「私も、頻繁に呼びつけられては困りますし、聖魔法では一時的な痛みの緩和しかできませんからね」
……うん? ってことは、自分が呼びつけられたくないがために国王陛下に湿布薬を勧めていらっしゃる、と?
「これは近く売り出す予定の商品らしいですが、国王陛下のお墨付きとあらば飛ぶように売れるのではありませんか? 例のポーションの件もありますし、そのくらい力を貸してやってもいいと思いますが」
……いやいやいや、逆に怖いよ、国王陛下のお墨付きの湿布薬とかさ!
フリードリヒ様ってば、自分が頻繁に呼びつけられたくないから、国王陛下に湿布を勧めて愛用させる気満々な気がする。
恩着せがましいことを言っているのも、国王陛下に断られないようにするためだ、絶対!
……だからさ、この場に、わたし、いる⁉
国王陛下に湿布薬を勧めるだけなら、フリードリヒ様だけでもよかったよね⁉
お願いだから早く帰らせてくれと思っていると、湿布薬をしげしげと見つめていた国王陛下が、とんでもないことを言い出した。
「実際に使って見ないことにはわからん。よし、部屋を移動するぞ!」
結局わたしは、そのまま国王陛下の私室にまで連れていかれ。
ぽつーんとソファに座らされたまま、天蓋のカーテンを下ろしたベッドの中でフリードリヒ様に湿布薬を貼られた国王陛下が、まるまる一時間ただごろごろしているのをひたすら待たされるという苦行を強いられることになった。
そしてその後、無事に(?)湿布薬の宣伝文句に「国王陛下ご愛用」の七文字を入れる許可はもらえたわたしは、ぐったりしながら第一聖魔法騎士団の棟に戻り、販売許可を聞きつけて戻って来たマクシム様から販売前だというのに大量の注文をもらって、ついでに国王陛下からの注文までもらって――、終業時間には、すっかり目を回してしまったのだった。
ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ







