雲泥の差
他のキャラの鑑定結果も...
「え、F?それに無能って...女神様からのスキルは何もなかったの?」
周りは動揺している。
「違うわよ、女神様は勇者様方にスキルを与えたのではなく、本来こちらの世界で生まれていたら手にしていた力、身体の奥に眠っていた才能を起こしてあげただけなのよ」
サリエルは冷静に事実を告げる。
「え、それはつまり...」
「この結果は彼らの実力そのものなのよ」
(え、Fってやばくない?)
(プッ、どんだけ弱いんだよ。)
(その辺のガキの方が、まだ強いんじゃねえか?)
聞こえてんだよ、クソ、これであいつらを見返せると思ったのに...ちくしょうが...
「あははははははは!」
鬼塚が突然笑い出した。
「何だよその顔?まさかお前みたいな雑魚がいい結果でも期待してたのかよ?ははっ、傑作だぜ。地球でも異世界でも、テメーはどこでもゴミなんだよ!」
ッ...
何も言えない。事実なんだから...
「き、桐生く「待ちなさい穂花。今行っても彼には逆効果よ、鬼塚にもね。」...ッ..うん」
「サリエル様、残りの四人の鑑定が残っておりますゆえ、お急ぎください。」
「ええ、そうですね。」
サリエルもおれをどうすべきか悩んでいるようだった。そりゃそうか。下手すりゃ、下手しなくても多分その辺のガキより弱いんだから、俺は...
そして四人の鑑定が終わった、その結果が...
上代勇大
- S - 勇者
白海穂花
- S - 聖女
加山日和
- S - 剣聖
鬼塚喜介
- A - 拳帝
「おお、勇者か」
「え、聖女?私が?」
「ふーん、悪くないわね」
「チッ Aかよ」
オオオオオオオオオオオ!!
今日一の歓声が上がった。
「素晴らしいです。勇者様。これで魔王軍に対抗できます。」
サリエルは嬉しそうに言う。
「ありがとうございます、姫様。私たちが必ずや、魔王軍を倒しましょう!」
上代も満更ではなさそうだな。
微妙な反応をしていたが、実は心底嬉しいのだろう。
「では今夜はこちらが用意した部屋でゆっくりとお休みください。ステータスなどの詳しい説明はまた明日にしましょう。」
みんなが部屋へ案内される中、
「おい、そこの無能」
呼ばれて振り向くとそこにはさっき王女様にお急ぎください、とか何とか言ってた騎士様だった。
「何でしょう?」
「お前のようなゴミが勇者様方と同じ部屋に泊まれるわけないだろう!貴様は地下の空き部屋だ!こい!」
そう言って連れて行かれた。
連れて行かれた場所は本当に何も無かった。強いて言えば木の板のみで作ったベッド?のようなものがあるくらいだった。
「今日からここが貴様の部屋だ。そして貴様は明日から勇者様とは別の訓練を行う。勇者様方の中に貴様を心配していたものがいるのでな、食べ物と服と怪我をした時用のポーションは支給してやる。感謝しろ!ゴミが!」
そう吐き捨てて扉を閉めた。
「はぁー....」
何もない部屋の中、おれは硬いベットの上で思わずため息を漏らした。
今回から話を少し長めにしてみました。