ゼノリア帝国
転移完了!
みんなのついた先は...
...目が覚めるとそこは知らない場所だった。
広い部屋、派手なレッドカーペット、その先の王座のようなものに座っている偉そうなおっさん、傍には騎士、そして綺麗なメイドのような人たち達、
...え、騎士!?メイド!?
「何だよ!どこだよここ!?」
「家に帰してよ!」
「オオオオオ..本当に異世界転移とは...」
みんなが混乱している中、誰かが俺たちの目の前に立った。
「みなさん落ち着いてください!」
みんな静かになった、急にいろんなことが起こりすぎたのだ。混乱もするだろう。彼女は続けた。
「みなさんの動揺はもっともです。ですが聞いてください。私は第一王女のサリエル =ルマドーラと言います。どうか、どうか勇者様方のお力で魔王を倒し、世界に平和をもたらしてください!!」
力強く彼女は語った。
「申し訳ありませんでした。こちらも切迫詰まっているのです。どうか話を聞いてください!!」
急いで落ち着くと彼女はゆっくりと説明を始めた。
「ここはヒューマンが住まう国、ゼノリア帝国と言います。この国の者は、日々魔王軍と戦っています。魔王軍は強く、今は抑えていても私たちができる時間稼ぎは微々たるものです。そこで皆さんの力を借りたいのです。勇者として、私たちとこの世界を救ってください!!」
みんな静かになった。
当然だ、さっきまで普通の高校生だったのが急に勇者様なんだから。
答えが出るのはしばらく先だろうな、無論俺に拒否権はないからとりあえず多数派に行くか...
と思っていたが
「戦おう!!みんなでこの世界を救うんだ!!」
「ッ!」
思わず吹き出して笑いそうになったが何とか耐えた...
こんな小っ恥ずかしいこと死んでも言いたくはないな
急に語り出した正義感の塊みたいなこの男...
文武両道、イケメン学級会長
上代勇大だった。
ひと段落つくまで時間かかりそう...