最後の希望
まだ異世界ではないです。
気長にお待ちください。
たくさんの消防車が消火活動をしていた。
わけがわからなかった。
頭が真っ白になった。
「ッ!父さん!母さん!花!建人!」
迷わず火の中へ走る俺を誰かが押さえた。
「ダメだ!近づいては行けない!まだ中に人がいるんだ!」
消防士の人だ、火の中に飛び込もうとしたのだ、当然だ。
「お願いします、家族を助けてください!」
とにかく叫んだ。
気が動転してしまっていた。
もう願うことしかできなかった。
消火が終わる頃には日付が変わろうとしていた。
「きみ、ちょっといいかな?」
急に声をかけられて驚きつつそちらを見ると、
さっき俺を引き止めてくれた消防士さんだった。
「みんなは無事ですか!?」
周りに一般人はいない、今なら聞いてもいいだろう。
「....落ち着いて聞くんだ、君の家族は....」
「...ッ」
答えはわかっていた。他の救急隊員に聞いても俺の家族を救出したと言われずこたえを濁された。
でもすがりたかった。最後の可能性に、
「...君の家族は全員死亡した、助けられなかった。すまない...」
おれは生きる希望を失った。
次回は、異世界へ行くところまで書けたらと思っています