奈落の底で
主人公、目覚める。
おれは奈落の底で目を覚ました。
...目立った怪我はないな。それにしても...
...本当に突き落とされたんだな。
まだ目は慣れていないが何となく周りの様子は理解できる。おれが助かったのはオーガ達がクッションの代わりになってくれたからのようだ。
冷静になると怒りが湧いてきた。
「クソが!ふざけんな!遊びだと!?そんなくだらない理由でおれの家族を殺したのか?みんなを..殺したのか!!?ずっとサンドバッグにしやがって!クソ!クソ!クソクソクソ!!
絶対許さない。復讐してやる!あの場にいたクソども全員殺して、ゼノリア帝国も潰してやる!!
絶対この手で...
殺してやる」
ー条件を満たしました。
ユニークスキル 呪い を獲得しました。
常時発動型スキルのため、発動します。ー
頭の中に声が聞こえた。
すると...
「ガアアアアアアアアアアアア!!ッガハッ、ゴホッグアアアアアアアアア!!!」
急に体がおかしくなった。
苦しい、熱い、寒い、痛い、もうわからない、
「アアアア...す、ステータス!」
辛うじて言えた、何かおかしい、確かめなければ...
スキル...あった、呪い?説明があるな。
呪い
負の感情を元に魔力を生み出す。この魔力は強い負の感情が元になっているため、あらゆる影響を受けることはない。魔法の威力も上がる。
オオオオ、チートじゃん。
ならこの辛さはいったい...
説明にはまだ先があった。
...ただし、この魔力は体に馴染むのに時間がかかる。馴染むまでに時間を要し、魔力のもととなる負の感情がスキル使用者にいく。
獲得条件
一定以上の負の感情を獲得する。
...嘘だろ?まだこれ続くってのか?
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
おれは叫び続けた。ダンジョンにおれの叫び声が響き渡った。
どれだけ時間が経っただろう、
...さすがにもう慣れたかな。耳に残る怨嗟の声も慣れたもんだ。いっそ可愛げまである。
すると、
ー条件を満たしました。
ユニークスキル 呪いの王 を取得しました。
発動を開始します。
...またあの声だ、でも妙だな。何ともない、説明は...
呪いの王
死の苦痛を耐え抜いたものが獲得できるスキル。
強力ゆえに、神でさえ獲得は不可能とされている。
このスキルは獲得後、常時魔力が生成されるため、
魔力が無限となる。スキル停止は不可能。
獲得条件
死の苦痛に耐え抜く
オオオオ!!魔力無限!?めっちゃ強くないか?
...いや、まだだ、確かにこれは強力だ。今ならあいつらにだって負けることはないだろう。
だがだめだ、おれが望むのは圧倒的勝利、これではまだ負ける可能性だってある。
...だがどうしようか
「そうだ、特訓すればいいじゃん!」
次回、特訓開始!